【再生ゴム特集】 消費実績 2万トン台近くに回復も

2012年09月27日

ゴムタイムス社

消費実績 2万トン台近くに回復も

本年上期 タイヤ再生の需要ダウン

 廃棄されたゴムを再資源化して有効活用される再生ゴム。近年、産業廃棄物の処理問題が大きく取り上げられ、リサイクルの声が高くなってきているが、ゴムのリサイクル品である再生ゴムはリサイクルの先駆者的な存在。再生ゴム各社は高度な粉砕技術と異物分離技術により、用済みタイヤをはじめ、各種ゴム材料を卓越した再生技術と厳しい品質管理のもとで、高品質で安定した品質の粉末ゴム・再生ゴムを製造している。
2011年度の再生ゴム生産は前期比103・9%の1万7357㌧、
工場出荷は同101・2%の1万6294㌧、出荷金額は同102・1%の26億8900万円と堅調な伸びを示した。
 自動車タイヤの生産増、景気回復に伴う工業用ゴム製品の生産増大により、2010年に大きく落ち込んだ再生ゴム消費実績は前期比124・5%の1万9425㌧と09年実績の2万㌧台までに回復した。
 再生ゴム工業会がこのほどまとめた経済産業省統計に基づく2012年1~6月計の生産、消費実績によると、生産は前期比91・6%の8311㌧、工場出荷は同95・1%の7820㌧となり生産、出荷ともに前期実績を割り込んだ。
 前年上期は東日本大震災の影響の中、天然ゴム価格の高騰もあり再生ゴム需要は原料不足への仮需に伴い堅調な伸びをみせたが、今上期は主力のタイヤ向けが海外タイヤ輸出の減少で4月以降、二ケタ台の落ち込みが続いているのが響いている。
 再生ゴムの製品別消費実績をみると、上期の再生ゴム消費実績は前期比100%の9632㌧となり、新ゴム消費に占める再生ゴム比率は1・3%。製品別では自動車用タイヤ向けが前期比96・5%の5994㌧、ベルト、ホース、ゴムシートなどの自動車用タイヤを除くゴム製品向けは前期比106・4%の3638㌧となった。
 タイヤ以外のその他工業用ゴム製品向けは前年4月以降、本年3月まで12ヵ月連続で2ケタ台の伸びを維持してきていた。

(2012年9月24日紙面掲載)

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