【再生ゴム特集】 村岡ゴム工業 再生ゴム値上げ浸透

2012年09月27日

ゴムタイムス社

再生ゴム値上げ浸透 タイヤ再生需要が減少

村岡ゴム工業

 ゴムリサイクルのエキスパートとして用済みタイヤ等ゴム製品の真のリサイクルを追求し続けている村岡ゴム工業㈱(村岡実社長)。
 足元の需給状況については本年3月まで前年同月比で上回っていたが、4月以降、主力のタイヤ向けがタイヤ輸出の減少で需要が落ち込んでいるとしている。工業品向けは若干プラスに転じているものの、再生ゴム需要全体では厳しい見通しとし、年間で横ばいを見込んでいる。
 また、同社は東京電力の電気料金(自由化部門)の4月1日からの値上げ実施を受け、タイヤ再生ゴムの製品価格を5月21日納入分よりキロ5円値上げした。同社では再生ゴムは製造工程において大量の電力を使用するため、使用電力の製造コストに占める割合が大きく、電力料金値上げにより製造コストが大幅に上昇したため値上げに踏み切った。
 また、タイヤ再生ゴムの主材料である用済み大型トラック・バスタイヤについても、熱利用向けの需要拡大等の影響を受け継続的に購入価格が上昇しており、採算悪化の要因になったとしている。同社は大正6年(1917年)創業以来、廃棄物は貴重な資源という考えのもと、廃棄されたゴムを再資源化して有効活用する再生ゴム製造業としての事業を一貫して行っており、永年築きあげてきた高度な粉砕技術と異物分離技術により、用済みタイヤをはじめ、各種ゴム材料を卓越した再生技術と厳しい品質管理のもとで、高品質で安定した品質の粉末ゴム・再生ゴムを製造している。現在、同社の干潟工場(千葉県旭市)でタイヤ再生ゴム、ブチル再生ゴム、粉末ゴムを生産、月産二千㌧の生産能力を持つ。生産比率は再生ゴム85%、粉末ゴム15%の構成比。再生ゴムのうち、タイヤ再生ゴムが約65%、ブチル再生ゴムが35%を占め、ブチル再生ゴムはルーフィング、粘着テープに需要が拡大している。
 同社ではタイヤ再生ゴムの品質、性能強化に向けた技術開発についても継続して進め、顧客からの信頼を第一と考え、今後とも資源の有効活用と地球環境の保全のためマテリアルリサイクルに積極的に取り組んで行くとしている。

(2012年9月24日紙面掲載)

 

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