三井化学 エラストマー新製品販売 ノティオSNを事業化に

2011年08月13日

ゴムタイムス社

 三井化学㈱(田中稔一社長)はこのほど新製品シンジオタクチック構造のエラストマー「ノティオSN」を事業化することを決定した。
 新製品は分子鎖がシンジオタクチック構造を有し、ノティオPNの特長に加え、従来のオレフィン系エラストマーに比べ格段に優れた耐摩耗性、耐傷付性を発現し、また成形性についても、押出成形での適性に加え、カレンダー成形(回転ロールでの圧延成形)にも非常に適する素材となった。
 従来のオレフィンポリマーでは持ち得なかった特長を兼ね備えたことから、合成皮革・レザー用途への展開が期待される。
 一方、新製品で作られた合成皮革・レザーは、軽量、耐久性、耐水性、フタル酸エステル(可塑剤の一種)フリー、有機溶剤フリー、無臭気性等の特長を持ち、他のオレフィンポリマーとの相溶性も優れ、それらを配合することで、柔軟性の調整、加工条件の調整が容易に行え、またオレフィンポリマー用添加剤、充填剤、着色剤の配合も容易に行うことができる。 既に行ってきた合成皮革・レザー用途でのテストマーケティングにおいても有力顧客から高い評価があり、自動車、鞄、家具、履物、衣料、文具向けなどの分野にも用途を拡大する可能性も考えられる。
 同社では引き続き新製品の用途開発を積極的に推し進め、エラストマー事業における次世代の基幹製品に育成していく方針。
 販売開始は2011年4月。売上高目標は10億円以上を目指していく。
 同社は自動車材、包装材、建材等に使用されるエラストマー製品(軟質高分子素材)の製造、販売を行っている。またメタロセン触媒を利用して結晶構造をナノオーダーで制御したαーオレフィン系エラストマー「ノティオPN」も販売。同製品は透明性とともに耐熱性、柔軟性、ゴム弾性に優れ、シート、フィルム、ホース、チューブ、各種パッキンなどに使用されている。

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