【合成ゴム特集】旭化成ケミカルズ S―SBR 世界NO1地位確立へ

2012年08月29日

ゴムタイムス社

SーSBR 世界NO1地位確立へ  シンガポール工場 早期立ち上げ目指す

旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは中期経営計画「For Tomorrow 2015」において省燃費型高性能タイヤ用S―SBR事業をグローバルリーディング事業と位置付け、積極的な設備投資による事業拡大を図っている。
 この一環として同社では、シンガポールにおいてS―SBR製造プラントの第1系列(年産5万トン)の建設に着手、2013年5月の稼動開始を目指しているが、今後も更なる需要拡大が見込めることから、同社では顧客ニーズに応えた供給体制の拡充を図るべく、先に第1系列の隣接地に年産5万トンの第2系列を建設することを決定し、2015年1月稼動を計画している。
 近年、環境規制の強化や環境意識の高まりを背景に、世界的に省燃費型高性能タイヤ(エコタイヤ)の需要が拡大しており、タイヤの安全性能を確保しつつ省燃費性能を同時に向上させるS―SBRは省燃費型高性能タイヤに最適の材料として需要が急速に拡大している。
 同社が展開する連続重合タイプのポリマーは、高性能シリカタイヤ用末端変性S―SBR。高い
安全性(優れた制動性、操縦安定性)と省燃費性のバランスをより高次元で実現するシリカ配合の
高性能タイヤ向け。タイヤ性能評価によるラベリングに対応、シリカ配合タイヤ向け「MVポリマー」の機能性(省燃費、グリップ力の向上)を高めたEシリーズ、省燃費を重視したYシリーズなどの変性効果をさらに高めた新規グレードの開発も積極的に進めている。
 同社のS―SBRの国内生産能力(BRと併産)は川崎工場で10万5千トン/年、大分工場が3万5千トン/年、合計14万トン/年能力を有しており、シンガポール工場を含めると省燃費型高性能タイヤ用S―SBR分野において世界No.1の地位を確立することになる。
 足元の需給動向はアジア、中国向けの補修用タイヤ、トラック・バス用タイヤの需要が足踏み状態となっているが、欧州でのラべリング規制スタートを控え、タイヤ各社からの引き合いが活発化しているのに加え、国内需要もエコカー減税の追い風やスタッドレスタイヤの新ブランド生産により、春先の定期修理以降、フル生産が続いているという。
 下期以降はエコカー減税の反動で先行き不透明としながらも、需要の半数以上を占める輸出も中国、アジアの日系タイヤメーカー向けも底堅い堅調な伸びが見込めるとし、フル生産、フル販売が続くとしている。
 こうした中、同社では2013年のシンガポール工場稼働まで国内工場での生産性向上に努め、
いかに安定供給を図るかが課題としている。
 また、シンガポールの立ち上げ時の製品切り替えをスムーズに行うため、インド市場での開拓はじめ、世界のタイヤメーカートップ30位までのこれから成長が期待されるアジアローカルメーカーに対し、同様の製法である川崎工場生産品での評価依頼を行うなど、長期戦略に基づき、シンガポール工場の前倒し稼働を目指している。

(2012年8月27日紙面掲載)