横浜ゴム 今年度タイヤ戦略に大規模投資

2012年08月27日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムの12年12月期第2四半期の決算説明会で野地社長は中期経営計画「GD100」PhaseⅢの成果と今後の取り組みについて説明した。
 2012年度は同社が2006年度からスタートした「GD100」PhaseⅢのスタートの年になる。
 PhaseⅢのテーマは「強くしなやかな成長」。「成長要因として、新興国では中長期的に成長が継続、世界経済は拡大が続くと見ているが、欧州の債務危機、急激な為替変動、国内での消費税引き上げなどによるリスク要因は多くある。こうしたリスク要因に柔軟に対応すべく強くしなやかな成長というテーマにした」(野地社長)。
 PhaseⅢ(2012年1月~2014年12月)の定量目標は売上高が1兆8000億円、営業利益が1500億円、営業利益率は8・3%を見込んでいる。
 この目標達成に向けて、タイヤ戦略のひとつの柱である大規模投資による供給能力の増強では、PhaseⅢの期間中に計画しているタイヤ増産投資額が1400億円を投じ、約2000万本の生産能力拡充を計画している。「この戦略のもと、今年5月にロシア工場が本格的に稼働開始した。ロシアでは輸入乗用車タイヤトップグループのシャアを持ち、2011年度は販売本数300万本を突破。高付加価値の大型車用・冬用タイヤが中心になっている。今回、ロシアの新工場稼働により地産地消の体制が整い、来年の2013年の夏までに140万本の生産体制を確立していく」(野地社長)。
 また同社は今年3月発表したインドにも乗用車タイヤ用工場をインドデリー近郊に建設決定。投資額は44億円、生産70万本規模からスタートする。「欧州債務問題に端を発する世界経済の減速などから今後の増産投資について慎重な判断を求められる局面があるかもしれないが、Phase4以降の海外拠点の増産計画はそのまま進めていく考え。2014年では海外での能力増強により海外における生産比率を45%まで高めていく」(野地社長)。
 部門別では、タイヤは高付加価値商品をグローバルに展開。PhaseⅢでは世界共通ブランドとして「YOKOHAMA」を前面にだしながら、ADVAN、ブルーアース、アイスガード、ジオランダーといった高付加価値商品をグローバルに展開していく。
 MB成長戦略は「運ぶ(搬送)」「くっつける(接着)」「やわらげる(緩衝)」という3つのコア技術を有しており、世界ナンバー1シェアの防舷材をはじめ、高圧ホース、建築用シーリング材など高い優位性を誇る商品を多数保持。今後もこの3つのコア技術において既存商品の枠にとらわれない新たな商品を生み出していく。
 同社は「GD100」のビジョンとして、創業100周年にあたる2017年とターゲットに企業価値・市場地位において独自の存在感を持つグローバルカンパニーを目指していく。

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