【ゴム薬品特集】 白石カルシウム 高度な物性要求に対応

2012年08月27日

ゴムタイムス社

高度な物性要求に対応  加工性改善などで需要拡大

白石カルシウム

  炭酸カルシウムのパイオニア企業、白石工業㈱のグループ企業で、化学品専門商社として確固たる地位を築いているのが白石カルシウム㈱。

 メーカーの白石工業との両輪で発展を続け、白石グループとして高度な研究開発を行う中央研究所が設立されてからは、研究機能と開発力を持つ商社として、更なる成長を遂げ、現在は食品、畜産、農業分野のほか医薬品、化粧品、工業用品まで幅広い分野に商品販売を行っている。
 同社の12年3月期業績は、売上高が643億1200万円、前期比2・9%減と減収となったが、経常利益は7億7200万円、同0・7%増と、ほぼ横ばいながら増益となり、当期純利益は5億5900万円で同73・6%増と大幅な増益を確保した。
 ゴム資材部は総売上高の約4割を占める主力事業部であり、ポリマー、カーボンブラック、プロセスオイル、フィラー類、各種ゴム薬品のみならずゴム用機器類にいたるまで販売を行っており、同事業部の業績は震災やタイ洪水などの影響で自動車部品関連需要が大きく落ち込んだものの比較的早期な生産回復に対して、きめ細かな供給体制を図ったことで、下期は順調な販売となった。
 炭酸カルシウムの販売については「従来は増量剤や防着剤としての使われ方が多かったが、近年は加工性の改善や一定の特徴をゴムに付与する機能用途が拡大しつつある。しかし、自動車の海外生産が一層シフトされ、ゴム製品としての汎用品は海外生産が増えていく傾向にあり、国内は更に高度なゴム物性要求に応えるため従来にない性能を発揮する炭酸カルシウムの開発ニーズが高まっている。ポリマーやカーボンブラックの汎用化、標準化が進み、特殊グレードが少なくなる中で、炭酸カルシウムの技術開発による特殊なゴム製品のユーザーとの共同開発が今後の課題であり、特定の物性を突出させる商品開発も可能性があると考えている」(同社)。
 白石カルシウムは白石工業グループの研究開発機能を駆使してテストから試作まで短期間で行うことができる強みを持つ。白石工業が生産技術を、白石中央研究所が技術評価を、白石カルシウムが商品販売することで「三位一体」の力を発揮している。今後は炭酸カルシウムにとどまらず、開発提案できる材料について豊富な品揃えを行い、幅広い分野での商品化を目指す。

(2012年7月30日紙面掲載)

炭酸カルシウム

炭酸カルシウム

 

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