取材メモ ゴム薬品の技術開発の奥深さ

2012年07月23日

ゴムタイムス社

 ゴム・プラ製品の補強性や紙の光沢性など、製品特性の向上は様々な配合剤が下支えしているのも事実だ。炭酸カルシウムもまた用途開拓が進み、幅広い製品で採用されている。
 炭酸カルシウムは粒子形状や性質までも様々に変化させる技術開発が行われ、これによって他素材との結びつきをニーズに応じて調整し、最終製品の要求特性を自在にコントロールすることが可能となった。
 「ミクロの表面技術でマクロの技術を支える」。炭酸カルシウム大手の白石工業では研究開発の手を緩めることはない。
 研究は粒子径を細分化して性能変化を探るのが一般的だが、同社は逆転の発想で粒子径を大きくしながら天然ゴム用の表面処理炭酸カルシウムの試作品に成功した。低MV・高Hs炭酸カルシウム「GK―08」がその開発品であるが、従来のゴム用炭酸カルシウムに比べ粒径は約3倍の150nmが最適だという。「150nmより小さくても、大きくても機能が下がることが確認されているが、その理由は解明されていない」そうだ。技術の奥深さを痛感させられる。

 

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