【ゴム薬品特集】 川口化学工業 中国市場での拡販強化

2012年08月27日

ゴムタイムス社

中国市場での拡販強化  新製品開発、安定供給維持に注力

川口化学工業

 川口化学工業の2012年11月期第2四半期決算は売上高が33億7300万円、前年同期比4・9%減、営業利益は7300万円、同41・8%減、経常利益6700万円、同44・9%減の減収減益となった。
 国内のゴム薬品が前年並みの売上を確保したものの、各種樹脂生産が低調に推移したほか、引き続く為替円高により売上高が前年同期実績を下回った。
 ゴム薬品は主要顧客であるタイヤ・ゴム工業用品・合成ゴム生産は、国内自動車生産の回復により工業用品・タイヤ並びに合成ゴムとも堅調推移、全社を挙げて変化する市場動向に合わせた生産販売に注力したことで国内ゴム薬品の販売は前年並みとなった。
 しかし、輸出は、タイでの洪水被害が収束し回復に向かう中、販売活動を強化することで維持拡販に努めたが、円高に為替が進行したことと、欧州金融不安の長期化により中国をはじめとする東南アジア市場の拡大が減速したためゴム薬部門の売上高は21億1200万円、前年同期比3・3%減となった。
 また、同社はゴム薬品及び化学薬品の中国、東南アジア市場への拡販を図るため中国・上海市に「开溪 (上海)貿易有限公司」を2010年8月に設立、ストックポイントを置き、現地の日系、ローカルメーカーに2011年12月から販売を開始しており、引き合いも多く順調に拡大しているという。また、同社の国内販売代理店組織「アクセル会」を中国現地法人でも運営、活動を開始した。同社では引き続き、顧客の現地生産に向けた技術・販売支援を行なっていくが、現在、現地生産委託の検討も進んでいる。
加水分解防止剤を開発
 足元の需給動向は国内ゴム薬は08年ピーク時の9割水準としており、ゴム薬ユーザーの海外生産シフトの加速で国内は漸減傾向にあり、今後は中国、タイ、ベトナム向けの海外販売に注力していくとしている。
 今後の経営課題としては、社内の生産体制、工場安全管理を徹底し、安定的な原料の確保に注力、品質面での要求には技術革新を進め、コストダウンにより安定生産を維持していくとしている。
 近年、環境対応を重視した新規特殊ゴム薬品の市場投入も活発で、加硫促進剤「アクセルTBZT」やトリアジン系加硫剤「アクターTSH」、老化防止剤「アンテージHPー400」などがユーザーからの高い評価を得ており、着実な浸透を見せている。
 また、新規グレードとして耐水性能を向上させる加水分解防止剤「DIPC」を開発、サンプル出荷を開始した。

(2012年7月23日紙面掲載)

 

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