【ゴム薬品特集】 協和化学工業 「パイロキスマシリーズ」を拡販

2012年08月27日

ゴムタイムス社

「パイロキスマシリーズ」を拡販  ノンハロゲン難燃剤も需要拡大

協和化学工業

 協和化学工業は創業以来「独自の技術による独自の製品開発」をモットーに無機ファインケミカル分野で人および環境に配慮した製品開発に取り組んできており、医薬用制酸剤、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、合成ハイドロタルサイト、その他無機化学工業薬品、医療用医薬品の製造・販売を行っている。
 工業用用途は円高、欧州景気不安により中国、アジア向け輸出が減少したが、医療用途は制酸・緩下剤(酸化マグネシウム製剤)「マグミット錠」が堅調に推移した。
 同社の坂出工場でゴム用酸化マグネシウム、難燃剤用の水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイトを、屋島工場で医薬バルクの制酸剤、三木工場で医療用の制酸・緩下剤を生産している。海外工場としてオランダ工場「Kisuma Chemicals B.V.」を有し、難燃剤用の水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイトを生産。
 また、中国・遼寧省には「丹東松元化学有限公司」を有し、中国市場向けを主に難燃剤用の水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイトを生産している。
 工業用用途ではノンハロゲン難燃剤「キスマ5」(水酸化マグネシウム)、PVC用熱安定剤「アルカマイザー、マグセラー1」、受酸剤「DHT―4A」、ゴム・樹脂配合剤「キョーワマグ」(酸化マグネシウム)、吸着剤「キョーワード」などで展開。ノンハロゲン難燃剤「キスマ5」はEVA、EEA、PP、VLDPE、EPDM、オレフィン系エラストマー等に自由に高濃度配合させることが出来る安全性の高い難燃剤。電線被覆及び機器内配線・自動車用ワイヤーハーネス向けなどに安定的な需要を持っている。
 受酸剤「DHT―4A」はハイドロタルサイト類化合物であり合成樹脂用安定剤(ハロゲンスキャベンジャー)として開発されたもので、CR、フッ素ゴム、ECOなどのハロゲン含有 ゴムに使用されている。ゴム・プラスチック配合剤あるいはマグネシウム塩・セラミックス原料として使用される「キョーワマグ」(酸化マグネシウム)は、販売、技術両面で業界でのリード役を果たしており、各種用途に応じ「キョーワマグシリーズ」 「キョーワマグMFシリーズ」「パイロキスマシリーズ」「500―04R」と豊富な品揃えで展開している。「パイロキスマシリーズ」は熱伝導性フィラーとして、近年、LED関連部品はじめ放熱での採用が高まっている。
 また、医療用途では各種マグネシウム化合物を医薬及び健康食品向けの原料としての販売に加え、医療機関向けに制酸・緩下剤としてのマグネシウム製剤が堅調な伸びを見せている。
 通期業績見通しは、輸出比率が高く円高、欧州景気不安などの懸念材料があるが、「パイロキスマシリーズ」や、高純度酸化マグネシウムシリーズの拡販により前年を上回る増収増益を確保したいとしている。

(2012年7月23日紙面掲載)

 

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