出光興産 台湾FPCCと水添石油樹脂で合弁会社

2012年07月10日

ゴムタイムス社

 出光興産(中野和久社長)は9日、台湾雲林県所在の台塑石化(Formosa Petrochemical Corp.以下台湾FPCC、陳寶郎社長)と、水添石油樹脂の製造・販売を目的とした合弁会社を設立することに向けて合意したと発表した。

 台湾FPCCは台湾プラスチックグループ(FPG:Formosa Plastics Group)の一員で、石油精製、石油製品製造・販売などを行っている。

 水添石油樹脂(商品名:アイマーブ)は、優れた熱安定性と耐熱性を有する無色透明・無臭の樹脂で、紙おむつなどに使うホットメルト接着剤の粘着付与剤、ポリオレフィン用樹脂改質剤などに使用されている。近年、新興国での人口増加、生活水準の向上に伴い、紙おむつなどの衛生用途で大きな需要伸長が見込まれている。

 同社では、1994年から徳山工場(製造規模:10千t/年)で独自技術を用いて製造を行っていたが、新興国での需要伸長に応じて、水添石油樹脂の事業拡大が期待されることから、製造・販売を強化すべく、水添石油樹脂の原料を安定して供給が可能、需要拡大地に立地するなどの優位性を有する台湾FPCCと合弁会社設立に向けて基本合意し、覚書の締結に至った。

 同合弁会社は、台湾雲林県麦寮のFPCC麦寮工場敷地内に設置予定。出資比率は出光興産50%、FPCC50%、生産規模は40千t/年を予定。

 両社は2012年度下期の合弁会社設立、2014年度の装置完工を目指して、今後、詳細条件を詰めていく方針。

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