【ゴム用試験機特集】 島津製作所 小型卓上試験「EZ Test」を拡販強化

2012年06月28日

ゴムタイムス社

小型卓上試験「EZ Test」を拡販強化  グローバル展開で市場拡大目指す

島津製作所

 130年以上にわたり、「科学技術で社会に貢献する」㈱島津製作所は様々な分野における研究開発・品質管理に欠かすことができない「分析・計測機器」、病気の早期発見、早期治療に貢献する「医用機器」、搭乗者の安全・快適・負荷軽減を実現する「航空機器」、そして次世代のモノづくりに応える「産業機器」の4つを基盤事業とし展開している。
 分析・計測機器のゴム分野で、最近の動向は「昨年は震災があったにも関わらず前年と比較するとよかった。その理由のひとつに、東北地方で免震ゴムを再評価する傾向があり、全体的に免震ゴム関係の評価装置関係の動きがよかったことがあげられる」(同社)。 また同社の直近動向では「国内の試験機市場は新規需要が頭打ち状態で、補修関係での引き合いが多い。先行き不透明感があるが、全体的には自動車やタイヤメーカーをはじめとする海外進出などで設備投資が増加しており、今後は期待できるのではないか」(同社)。 同社の試験機の国内外構成比は国内が70%、海外が30%であるが、海外強化のためにも東南アジアや中国等が今後も期待できると見込んでいる。
 「昨年のタイの洪水で特需効果があった。今後も東南アジア、中国の市場を拡販強化していきたい」(同社)。
 同社のゴム分野では自動車メーカーやタイヤメーカーがメイン。そのなかで精密万能試験機「オートグラフAG‐Xシリーズ」は同社の試験機器事業の中核をなす主力製品であるが、このたびグローバル戦略製品として小型卓上試験「EZ Test」を4月から国内で販売開始した。
 同装置は「手軽で、使いやすく、高機能」をキーワードに、全世界の小容量試験市場に向けて業界最高クラスの試験力測定精度(指示値の±0.5%)と保証範囲(1/500~1/1)・制御精度・試験速度(0.001~2000mm/min HSタイプ)を実現した小型卓上試験機で、29機種を投入する。
 「EZ Testは女性でも簡単にしかも安全に操作できるように操作性を重視した。また高性能を維持しながら低価格を実現した」(同社)。 パソコンを使用することなく試験機本体のみで試験(スタンドアロン)を行うこともできる。さらに開発研究向けにも対応しており、ビデオカメラ式非接触伸び幅計「TRViewX」を組み合わせることで高機能フィルムの開発などで必要となる弾性率やポアソン比測定も可能となった。
 今後の販売計画として「海外は順次販売開始しており、ヨーロッパは5月末から販売開始。アジアは6月の下旬に販売開始を予定している」(同社)。
 同社は低価格でありながら高精度な同装置を国内だけでなく海外規格にも対応したグローバル戦略商品と位置づけて、市場に投入することで世界市場戦略をさらに推し進めていく。(2012年6月25日紙面掲載)

EZTest

 

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