横浜ゴム ロシアで新タイヤ工場の開所式を開催

2012年05月30日

ゴムタイムス社

 横浜ゴム㈱(野地彦旬社長)のロシアのタイヤ生産販売会社「ヨコハマR.P.Z」(鈴木伸一社長)がリペツク州リペツク特別経済区(SEZ)で建設を進めていた新乗用車用タイヤ工場がこのほど竣工、5月30日、現地で開所式を行った。

 開所式にはアレクサンドル・べグロフ中央連邦管区大統領全権代表、原田親仁 駐ロシア連邦日本国特命全権大使、オレグ・コロリョフリぺック州知事、南雲忠信代表取締役会長兼CEOはじめ、ロシア国内のタイヤ販売会社/販売店関係者など総勢200名が出席した。
 あいさつに立った南雲会長は「2008年にロシアを訪れた際、成熟し始めた自動車社会と将来への大きな可能性を実感し、生産工場をロシアに持つことが最重要だと判断した。研修のため日本を訪れたロシアの方々と会う機会があり習熟の速さを大変心強く思った。今後、横浜ブランドの高品質製品を市場に供給しロシアの発展に貢献できることを確信している」と述べた。来賓あいさつの後、鈴木伸一 LLC ヨコハマR.P.Z.社長が新工場の概要をプレゼンテーション。その後、ホール前でテープカットが行われた。
 「ヨコハマR.P.Z」は、ロシアでのタイヤ生産を目的に2008年12月に設立され、現在の資本金は約37・6億ルーブルで横浜ゴム80%、伊藤忠商事㈱20%の出資比率となっている。 2010年3月に起工式を行い、48億ルーブルを投じて新タイヤ工場の建設を進めてきた。
 新タイヤ工場の建屋面積は4万1850㎡、年間生産能力は140万本(日量4000~5000本)。現在の従業員数は350名。2013年夏にフル生産に入るがその際の従業員数は550名を予定。横浜ゴムにとって日本、米国、中国に次ぐ4番目に大きな市場で、日系タイヤメーカーで初のロシア進出となった。
 新工場ではロシア国内向け主力商品である乗用車用タイヤ「C,drive2」、乗用車用スタッドタイヤ「ice GUARD iG35」などを生産、いずれもタイヤサイズは内径13~18インチ。主としてロシア国内で販売するが、一部商品については欧州にも輸出するという。
 横浜ゴムでは2005年4月に設立したタイヤ販売会社ヨコハマロシアL,L,C,を中心に大手卸売会社を通じた販路開拓の強化、小売店を対象としたヨコハマクラブ・ネットワークづくりを意欲的に進めた結果、ロシアでの2011年の年間タイヤ販売本数は28%増の約300万本に達し、ロシア市場での補修用乗車用タイヤの販売本数(年間4000万本)のシェア7~8%を占め、海外ブランドでは第2位。
 「当社は付加価値の高いタイヤを世界中で売っているが、その戦略をロシアで行うべく狙いをつけた。今後の日系メーカーへのOEM供給を含め、資源国であり、非常に豊かで将来性があるロシアでの現地生産化は間違っておらず、ロシア市場での一つの成功例」(南雲会長)と、現地生産開始による商品供給力の強化と迅速化により、さらなる事業拡大を進める計画。需要動向を睨みながら今後第2期(建屋面積3万9800㎡)、第3期(同3万㎡)の拡張を行い、第1期と同規模程度の生産能力を順次拡大していく方針。

ロシア工場_外観

ロシア工場外観

あいさつする南雲会長

あいさつする南雲会長

テープカット

テープカット

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