フコク 自動車回復で増収

2012年05月22日

ゴムタイムス社

 フコクの3 月期連結決算は、売上高544億6900万円、前期比5・5%増、営業利益31億7300万円、同16・6%減、経常利益32億6700万円、同14・1%減の増収減益となった。当期純利益は前期の厚生年金基金の脱退損失が発生したこと等により23億2300万円で同100・4%増。同社の主要顧客先である自動車産業は新興国を中心にグローバル市場の回復傾向が維持される一方で、昨年の震災とそれに続く原発事故などが国内の生産や販売に厳しい影響を及ぼしたが、業界を挙げての挽回生産が進んだ。同社も主要顧客先に歩調を合わせて受注の急増に対応。その後、昨年の11月のタイの洪水で一部受注が低下したものの、足元では国内の生産と販売が持ち直すなど堅調に推移した。

 セグメント別では、機能品事業は日本国内の震災による受注減も挽回し、売上高は264億6900万円、同4・1%増、営業利益は45億9000万円、同10・5%増となった。防振事業は日本国内の挽回生産および海外の受注増を反映し、売上高は209億7400万円、同6・1%増、営業利益は震災の影響やセグメントに属する子会社の工場移管コスト等により12億200万円、同43・0%減となった。金属工事業は震災による受注減も挽回したことで、売上高は50億8300万円、同6・0%増、営業利益は昨年の体質改善も奏功し、1億5700万円となった。
 次期の見通しについて、主要顧客先である自動車産業は新興国を牽引役とするマーケットの需要増に対応して堅調に推移すると見込み、同社も市場再編に動きに対応しつつ、新たなグローバル化戦略に注力し、海外シフトを促進していく。
 こうした情勢下で、同社は収益性向上を目指して投資を推進していくなかで売上高は前年同期比6・5%増の580億円、営業利益は同10・3%増の35億円、経常利益は同7・1%増の35億円、当期純利益は同9・6%減の21億円を予測している。

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