【ベルト特集】 横浜ゴム 北米での販売力を強化

2012年05月24日

ゴムタイムス社

北米での販売力を強化 高耐熱など特殊品販売に注力

横浜ゴム

東京都港区新橋5丁目36番11号

WEB http://www.yrc.co.jp/

 横浜ゴムの11年(1-12月)の搬送ベルト事業は、3月に発生した東日本大震災による電力関連設備を中心とした緊急的な復旧需要、さらには原材料価格高騰に伴う製品価格の修正などの効果により、売上げは約2割の増収となった。
 海外事業については、中国の山東横浜が順調に推移したほか、MB製品の販売会社「上海優科豪馬(よこはま)ゴム制品商貿有限会社」は、補修用市場への積極展開を図っている。
 北米市場向けはYHAIの人員増強を実施、販売力強化を図ったことで伸びを示した。「北米市場では高温耐熱ベルトなど特殊品の販売に注力しており、この分野の増販が寄与している」(同社)。
 震災により、工場やプラントの生産設備が被害を受け、復興を目指し緊急的な需要が一時的にが急増したという。その中で搬送ベルトの受注も増えた経緯がある。「被災地におけるガレキなど廃材処理用のコンベヤ需要が今後も高まることが予想される」(同社)とする。震災復興関連のほか、高炉メーカー向け需要も堅調に推移した。
 12年度の事業展開は、海外市場への対応を強化する方針。「国ごとの規格も異なるので、それぞれの仕様に合わせて特色のある製品の品揃えで販売を伸ばしていきたい。」(同社)とし、国内では省エネベルト「エコテックス」シリーズなどを拡販する。
 また、同社はコンベヤベルトの国内販売会社向けメーカー出荷価格を4月1日から現行価格より10%の値上げを実施した。
 工業用ゴム製品の原料である原油、ナフサ価格の高騰により合成ゴム、各種配合剤などの石化系原材料価格のが大幅な上昇が続いている。こうした中で同社は生産性向上やコスト削減などの内部改善を続けてきたが、企業努力だけではこれらを吸収することは困難に達し、値上げを決めた。直需および海外向けについてもメーカー出荷価格の値上げを実施する計画。(2012年5月21日紙面掲載)

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