ランクセス 「アジア太平洋地域用途開発センター」香港に新設

2012年04月20日

ゴムタイムス社

 ランクセス(LANXESS)は、4月18日から21日まで中国・上海で開催している「チャイナプラス2012」で、2012年後半、香港科技園(サイエンスパーク)に高性能プラスチック分野の「アジア太平洋地域用途開発センター」を新設すると発表した。

 同センターは、CADやCAE施設、また世界トップクラスの部品試験センターの機能を備え、アジア太平洋地域の顧客に、包括的で高付加価値の技術パッケージを提供する。香港は今後、同社の高性能素材であるポリアミド「デュレタン(Durethan)」やポリブチレンテレフタレート「ポカン(Pocan)」の技術ハブを担う。

 セミクリスタリンプロダクツビジネスユニットのアジア太平洋地域バイスプレジデントであるクリストフ・クログマンは、「新開発センターは、同地域における『グリーンモビリティ』のニーズに対応し、同社の技術力を大幅に強化するとともに、同地域の自動車産業の発展に貢献していく」と述べている。

 同展示会における主な展示の1つは、セミクリスタリンプロダクツビジネスユニットが提供している「デュレタン」や「ポカン」を使用したインテリジェントな車両軽量化ソリューションだ。同ソリューションのひとつが、優れた強度を維持しながら車両の軽量化を実現する、ポリアミドの複合シート(コンポジットシート)を使用したハイブリッド技術である。
 同社は、この技術によって製造された自動車産業向けの部品が、電気自動車の開発等「グリーンモビリティ」の推進に、大きく貢献できると考えている。同技術の用途は、エンジン機能部品、ドア構造部品、ブレーキペダル、フロントエンド、座席の金属フレーム材など。
 クログマンは、「同社は、このハイブリッド技術が可能にする自動車の軽量デザインを、さまざまな形で紹介していきたい。このコンポジットシートは多くの場合、金属や炭素繊維で強化された既存の熱硬化性樹脂システムの代替品として、経済面でも性能面でも理想的」としている。

 同社は、同技術における、高度な開発プロセス全ての工程段階と新素材モデルがシミュレーションできる、独自のシステムを開発。このシステムは、顧客が革新的な開発を行う際に必要な技術的ノウハウを包括的に提供するサービス「HiAnt」の一部として、セミクリスタリンプロダクツビジネスユニットが提供する。「HiAnt」では、素材選択やCAE計算から、金型設計、部品テスト、量産開始におけるサポートといった、幅広いカスタマーサービスを提供する。

 セミクリスタリンプロダクツビジネスユニットは、同社のパフォーマンスポリマーズ部門(2011年売上高:50億5,900万ユーロ)に属している。

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