企業特集 ワールド化成 環境保全型ビジネスを展開 マテリアルリサイクルに注力

2012年04月09日

ゴムタイムス社

 天然ゴム、合成ゴムなどの多品目から各種材料の供給をはじめ、製品に求める物性に合わせた適切な「材料」「練り工程」「成形加工」までのソリューション提案を展開するワールド化成㈱(吉村泰郎社長)は、樹脂、ゴム、化成品、金属の幅広い事業活動を通じて、リサイクル事業として環境保全型ビジネスを展開している。
 同事業はISO14001(環境マネジメントシステム)を認証取得して以来、15年前から循環型経済社会構築の一躍を担うべく、マテリアルリサイクル(再資源利用)の製造を行っている。
 「建築舗装、自動車、半導体関連資材、住宅設備資材などの材料販売を行っている弊社の役割として、弊社の横のつながりを活かし、お客様に買って頂いた商品のロス材などをリサイクルできないかというのがマテリアルリサイクルの始まり」(吉村社長)。
 同事業からゴム材料のマテリアルリサイクルとして開発されたのがWKゴムマットA型。従来ゴム成型品は加硫物のため(化学結合)、再粉砕しても最初の物性を再び得ることができず、ゴム産業廃棄物との多くは埋め立て処分されているのが現状だったが、同社はゴム産業廃棄物の再資源化を目的として木造住宅の床用防振ゴムを開発することができた。
 同製品の製造工程の例のひとつに、鉄道車両ブレーキホースがある。(左の写真)。
 「一か所あたりの排出量と購入量バランス、ゴムの製品の種類など、どれだけ安定的に取集できるかが課題であるが、その課題を解決していきながら、マテリアルリサイクルビジネスを拡販していきたい」(吉村社長)。
 同事業の特徴として、同社の環境の取り組みであるCO2削減、ゼロエミッション、省エネ、バイオマス活用などの環境負荷低減ニーズに対応するため、地域貢献を含めて障がい者地域作業所、養護学校および各種関連企業に協力する形で様々な複合材リサイクル資源の分離分別を行っている。
 同社の分離分別の受託システムは、①.各種法人・企業の協力を得て、発生企業より受け入れ回収②.発生企業からは、産業廃棄物ではなく、資産扱いで分離分別を受託③作業進捗は各協力法人の状況に準ずる④加工治具などについては必要に応じて同社より貸与⑤分離分別が完了した製品のみ、発生企業へ納入⑥.受け入れ回収量と分離分別品納入量を台帳にて数量管理⑦分離分別品納入量を月末集計し、作業費を発生企業に請求⑧.分離された資源は新分野にて再利用⑨.再利用不
可能な部位のみが産業廃棄物―がある。
 同社は今後もCO2削減、ゼロエミッション、省エネ、バイオマス活用などの環境負荷低減ニーズに、マテリアルリサイクルを中心としたリサイクルスキームの構築を強化し、マテリアルリサイクルを拡充していく。

 

 

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