【ホース特集】 ニッタ グローバル化が課題

2012年04月09日

ゴムタイムス社

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 ニッタ

 グローバル化が課題 国内はコスト削減を推進

 ㈱ニッタは名張、中国、韓国の3極体制で油圧ホース、樹脂チューブなどの生産販売を行い、近 年はグローバル展開に注力している。
 同社のホース・チューブ事業の3月期業績は、油圧ホースが震災以後、復興需要が特需となり販 売を伸ばし、前期比2ケタ増を確保する見込み。一般空圧用チューブは半導体をはじめとした装置 メーカーの落ち込みから微減で推移、自動車用チューブについては震災の影響により自動車生産が 一時ストップしたが、その後の回復により、通期では2ケタ増となる見込み。これらにより、同社 のホース・チューブ事業の売上げは前期比2ケタ近い増収となる見込み。
 経営計画「中計09―11」が終了、12年度からは新たな中期経営計画がスタートするが、ホース・ チューブ事業においては「グローバル展開」と「コスト削減」が大きなテーマになる。
 名張工場は昨秋、生産ラインの見直しなどによりスピード向上や付属設備の改善などを実施、革 新的生産技術の導入向上と合わせて生産性の向上を実現、すでにフル稼働に近い生産体制となって いる。
 海外事業では、中国での建設機械の生産拡大を背景に、常州工場で能力増強を進めている。これ まで日系建機メーカーへの供給が中心だったが、能力増強に伴い、技術力の優れたローカルメーカ ーとの取引も拡大させる計画。増設は新年度の早期に完了させる。
 また、インドに販売子会社を設立予定で、加工およびホースアセンブリを開始、マーケット調査 も積極展開する。
 同社では「中国国内市場並びに米国や東南アジア、インドなど拡大する市場への対応が今後の課 題であり、常州工場の増設後は新たな拠点確保も経営課題になると認識している」(同社)として いる。
 国内の拡販戦略は、低圧用樹脂ホース「LF70」のシリーズ拡大により、工作機械マーケットで の優位性を確認、ニーズの高いサイズ追加も行い、積極拡販する。同ホースは、軽量性に加え、よ り柔軟性が向上しており、主として工作機械の配管用として順調に販売を伸ばしている。(2012年4月9日紙面掲載)

 工作機械向けに拡販 LF70 低圧用樹脂ホースを拡充

 ㈱ニッタは中期経営計画「中計0911」の最終年度にあたる今期は25億円の積極投資を行い、国内外の生産能力の増強、設備更新を図る。
 高圧樹脂ホースについては、建設機械向けホースの需要増大に対応し、名張工場及び中国常州工場での生産能力増強に着手した。また、成長著しいインド市場でも積極的な展開を検討している。
 同社の12年3月期第2四半期連結決算は、売上高274億8500万円、前年同期比10・2%増、営業利益12億1200万円、同109・3%増、経常利益34億5700万円、同29・8%増の増収大幅増益となり、四半期純利益は31億1900万円、同29・1%増となった。
 油圧ホースは、建設機械向けの旺盛な需要により好調に推移、出荷額は2ケタ増となっている。一方、チューブ類については、期初は前期からの半導体関連需要の好調から順調なスタートだったが、夏場以降、需要が急激に落ち込み、下期は先行き不透明感が強まりつつある。
 ホース製品の生産拠点は、国内では名張工場、海外では中国(常州、広州)、韓国に有する。中国での建設機械の生産拡大を背景に、下期に常州で能力増強を行う。油圧ホースはこれまで日系建機メーカーへの供給が中心だったが、能力増強に伴い、技術力の優れたローカルメーカーとの取引も視野に入れている。
 「油圧ホースは建機のOE分野でシェアを伸ばし、チューブ製品は小回りを利かしてユーザーにきめ細かく対応、半導体・液晶分野において特殊な製品ニーズを拾い上げて製品開発に結びつけていきたい」とする。
 国内での拡販戦略では、低圧用樹脂ホース「LF70」のシリーズ拡大を行った。工作機械マーケットの市場調査を進めた結果、同シリーズの市場優位性を確認、新たに「08」サイズを追加して市場投入した。新商品は軽量性に加え、より柔軟性が向上しており、主として工作機械の配管用途として売り込む。また、同時に海外市場での販売にも注力する。(2011年12月5日紙面掲載)

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