【ゴムロール特集】 金陽社 中国OAロール子会社が生産開始

2012年04月16日

ゴムタイムス社

 金陽社

 中国OAロール子会社が生産開始 高機能フィルム分野で積極拡販

 ㈱金陽社の2012年3月期業績は、年度全般を通じては、日本経済の動向に大きな影響を与えた東日本大震災、タイ大洪水、年度を通じた円高基調、更には、欧州の財政・金融危機等が金陽社の業績にも影を落とし、前年度実績との比較では、売上は若干の減収見込みである。
一方損益面では、原材料高、円高等の厳しいコストアップ要因を、全社一丸となったコスト改善努力、特に不良率の改善、残業低減等工場コストの低減に努めた結果、前年度比増益を達成できる見込みである。
 国内・海外別にみると、国内は、上期になんとか復興需要をとらえつつ、回復の兆しがみえたものの、下期以降の輸出関連需要の落ち込みの影響を受けた。海外では100%子会社「KTH」(金陽社タイ)の印刷用ゴムブランケット工場は洪水による被災は免れたものの、ドイツの合弁会社「KBRT」(OA機器用ゴムロール生産)のタイ工場は水没したため業績に大きな影響を受けたが、懸命な復旧作業の結果、4月からの生産再開にこぎつける見込みである。
 今期の需要見通しについては、印刷用、鉄鋼用が横ばい、製紙向けが減少、ブランケットは国内トントン、輸出は減、OA機器用ゴムロールは前年並みを見込んでいるが、フィルム分野での高付加価値製品の投入、拡販で販売増を計画しており、コスト削減と合せて売上高、経常利益ともに前期実績を上回る業績を確保したいとしている。
 懸念される原材料価格高騰については、不良率を下げ、経費削減による合理化努力でコスト吸収に努めるとし、輸出市場では値上げを実施しているが、国内ユーザーについても一部製品で現在、値上げ交渉中。

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