【ゴムシート特集】 霜田ゴム工業 カレンダー加工に注力

2012年03月26日

ゴムタイムス社

 少量多品種で対応

 霜田ゴム工業は昭和9年球技用ボールチューブの専門メーカーとして東京都墨田区向島で創業。昭和37年に現在の越谷工場の操業を開始し、生産拠点とした。45年逆L型16インチカレンダーロール設置、押出製品の製造開始、62年600tプレスを導入。平成に入ってからは大型プレス機等の能力を拡充させる一方で、17年には逆L型18インチカレンダーロール、3本型18インチカレンダーロール、75L加圧ニーダー、SPMを設置するなど順調に事業を拡大させてきた。また平成14年にはISO9001認証も取得している。

 製造品目は産業機械用部品、車両部品、建材、各種工業用ゴム製品など多岐にわたっており、なかでもカレンダーロール機を用いた薄物ゴムシートでは高い技術力を発揮、独自性を生かした営業活動で事業展開を図っている。
 「弊社のゴムシート部門はユーザーの要望に応じて大量生産はもとより、少量多種生産も可能な体制をとっており、受注量の変化に対応できるのが強み」(霜田知久社長)。
 シート製品の販売比率はいまだそれほど多くないものの、長年培ったカレンダー加工の独自ノウハウを駆使して1㍉以下の極薄シートや、各種繊維へのトッピング加工を得意としている。また顧客の持ち込み材料を用いての加工受託も引き受けている。
「ゴムの材料では殆どすべてのゴム種を扱っており、材質によっては厚さ0・2㍉品から製造可能。加工量や加工寸法など、いかに取引先様のニーズに応えられるが重要と考えている」(霜田社長)。
 昨年は3月の震災の影響があったが、6月には回復基調となった。その後タイの大洪水や円高の影響もあり、全社売上高は2011年10月期は横ばい、今期は増収を見込んでいる。
 霜田ゴム工業は、創業以来の精神である「優れた商品」「共存共栄」「人材育成」を経営理念に、優れた技術開発力で取引先各社の期待に応えている。
 また地元のシルバー人材センターに対しセンター設立当初より工場の清掃等軽作業を委託したり、工場の燃料を従来の重油から天然ガスへ切り替えてCO2排出削減に努めるなど地域との共生や周辺環境の保護にも積極的に取り組んでいる。
 「極めて不透明な経済状況ではあるが、今後も会社を取り巻く環境に迅速に対応しながら、常に社会から必要とされる企業として存在していきたい」と抱負を述べた(霜田社長)。(2012年3月26日紙面掲載)

霜田ゴム工業ホームページ:
http://shimoda-g.co.jp/

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