【ゴムシート特集】 タイガースポリマー ゴム配合技術を強化

2012年03月23日

ゴムタイムス社


 新商品開発で 放熱シートなど積極販売へ

 タイガースポリマーの2012年第3四半期連結決算は、売上高197億9400万円、営業利益5億8500万円、同60・5%減、経常利益5億9500万円、同59・1%減の減益決算となった。四半期純利益は3億1300万円で同60・2%減。
 ゴムシート事業は、震災の復旧や原子力発電所事故の収束に向けた需要が拡大したが、世界的な自動車生産量の減少や原材料価格の高騰、さらには円高の影響を受け、主力の自動車部品事業が低迷し、減収となった。収益面は、タイにおける大規模洪水の影響でタイ工場が操業停止になるなどの影響で大幅な減益となった。
 「ゴムシートの売上げは、昨年6月から9月までは順調に伸び、シェアも伸ばすことができたが、10月以降は市場環境が厳しくなり、年末まで販売は低下した。新年の動きだが、大きく回復することは期待薄で、市場情報を的確につかみ、確実に受注につなげていきたい」(同社)としている。
 第3四半期におけるセグメント別の売上高は、日本が133億4400万円、営業利益は7200万円、米国は44億9200万円、営業利益2億3400万円、東南アジアは15億4000万円、営業利益400万円、中国は13億8800万円、営業利益4800万円。
 シート事業の動向については「全体的に加工メーカーは動いており、需要は堅調に推移しているようだが、地域別にみると自動車部品が中心の名古屋地域は徐々に回復しているが、関西市場は大きな物件も少なく低迷が続き、関東以北は復興関連でまずまずの状態」(同社)と分析している。
 新年度以降の事業展開については、既存商品の拡販をはじめ、放熱シートなど機能商品群の販売に注力する。開発面においては、ユーザーが求める特性を発揮させるための配合技術の研究を進めており、新たな市場を目指した新商品開発を加速させる。
 タイ洪水の落ち着きから、同社は4月からタイ工場の操業再開を決めた。また、未開示だった通期の業績予想を発表したが、連結売上高は268億円、営業利益8億円、経常利益8億円、当期純利益4億円を目指す。(2012年2月20日紙面掲載)

 食品関連用途に期待 合成シートの価格改定を検討

 タイガースポリマー㈱は東日本大震災で栃木工場および仙台分室が被害を受け、従業員2名が軽症を負い、事務所や機器類に損傷などの被害が発生したが、現在は復旧が進み、生産体制も従前のレベルを確保している。ゴムシートの販売でトップシェアを有する同社の現状と、今後の事業展開を常務取締役の佐々木博営業部長に聞いた。

 タイガースポリマーの2012年3月期第1四半期連結決算は、ゴムシート製品は震災の復旧や原子力発電所事故の収束に向けた需要が拡大したが、サプライチェーン寸断による自動車生産減少の影響を受け、売上高は68億6900万円、前年同期比1・3%減とわずかながら減収となり、収益面は営業利益2億6600万円で同45・7%減、経常利益は2億8100万円、同42・3%減と大幅な減益を余儀なくされた。四半期純利益は1億6200万円で同41・6%減となった。

 佐々木常務  「震災後の4月、5月のゴムシート需要は2ケタ増で推移した。緊急的な震災復興需要が発生したものと思われるが、6月以降はやや陰りが表れて、前年実績を下回る状況で推移した。合成ゴムメーカーやゴム薬品メーカーが被災して材料供給面で混乱が生じたことも大きな要因だと考えられる」
 こうした状況で同社の第1四半期業績は減収減益となったが、日本市場は震災からの復旧に向けた需要増により、産業用ホースおよびゴムシートは増収となった。しかしながら、自動車メーカーの減産の影響を受け、自動車部品が大幅に減少した。
 米国市場は、産業用ホースが為替換算の影響を受け減収となったが、自動車生産の回復により自動車部品が増加。この結果、売上高は18億7700万円、同5・5%増、営業利益1億7600万円、同8・4%増となった。
 東南アジア市場は、マレーシアでは家電用ホースが主要取引先からの受注の減少に加え、為替換算の影響で減収。タイは家電用ホース、自動車部品とも横ばいで推移。この結果、売上高は6億7900万円、同3・8減、営業利益5100万円、同18・5%減となった。
 中国市場は、家電用ホースが好調に推移したが、自動車部品は需要低迷に加え、為替換算の影響で減収。この結果、売上高は4億9300万円、同2・4%減、営業利益3100万円、同58・7%減となった。
 佐々木常務  「先ごろ開かれた日本ゴム工業会・ゴム板部会の会合では、現在の需要水準は決して良くないことが各社の報告で明らかとなった。公共投資関連の土木分野が引き続き不振であることや復興需要も予算がついてからの話で、早くても来年くらいになるのでは。自動車関連需要は立ち直りを示しており、今後は自動車各社の生産も震災前の水準に戻りつつあるので期待できるだろう。これに加えて建機関連が中古機の不足などが叫ばれているが、国内は今後も順調な推移が予想される」 
 ゴムシートはあらゆる産業で需要があり、景気のバロメータとも言われる商品であるが、同社は高機能化を追及した商品開発を加速させている。
 佐々木常務  「現在開発を進めているのは食品用途向け商品だ。耐熱および食品用ガスケットやパッキン並びに放熱関係製品の領域拡大に注力していく」
 同社は以前より、環境対応商品「タイエコシート」シリーズ、熱伝導EPTシート「ねつと~る」などの販売に注力している。製品仕様は「タイエコシート」が厚さ0・5~5㍉、長さは10㍍。「タイエコシート ホワイト、グリーン」は厚さ1~5㍉、長さ10㍍。
 佐々木常務  「この商品は、耐侯性と耐油性を併せ持つ環境にやさしい合成ゴムシートで、DOPなどのフタル酸エステル類を使用しておらず、クロロプレンや塩ビなどハロゲン含有原料を使用していない。酢酸抽出を含む、厚生省令85号の食品衛生試験に適合している。一方の熱伝導EPTシートは熱伝導性、導電性、耐候性を有した環境対応シートで、PRTR法関連物質を使用しておらず、欧州RoHS指令6物質は使用していない」
 下期も厳しい市場環境が続くことが予想されるが、通期の業績予想では、シート事業は前期比5~10%程度の増収を計画している。
 なお、合成ゴムなどの原材料価格高騰を受けて、同社では天然系シートの価格改定を実施したほか、秋以降には特殊合成ゴムシートの価格改定も検討している。(2011年9月12日紙面掲載)