【CMB特集】 ゴム配合技術力を高めて需要を開拓

2012年02月29日

ゴムタイムス社

 昨年の生産量は12万トン弱に 12年度は震災復興需要に対応

 2011年のCMB業界は、リーマンショック後の立ち直りからゴム製品生産が好調にスタートし、年初は堅調な市場動向を背景に回復基調で推移していたが 、3月に起こった東日本大震災並びに福島原子力発電所事故問題から、厳しい市場環境に転じた。
 ゴム精練各社は、優れたコンパウンド技術を駆使してユーザーが要求する高品質なカーボンマスターバッチ(CMB)を供給している。昨年は原油・ナフサ価格高騰を背景に合成ゴムやカーボンブラック、各種ゴム薬品類が相次ぎ値上げさ れ、原材料比率の高いCMB各社にとっては収益が悪化、加工費改定など改善施策を実施したが、満足できる水準には至らず、現在もなお大きな経営課題となっている。
 特殊な試験はその試験費用の有料化がカギになりそう。一般的な物性試験はノウハウを保有しており、大きなコスト増にはならないものの難燃性試験や弾性試験、耐油・耐火試験などの特殊試験は別途有料化にすることでCMB各社の体質 強化が図られる。さらに、近年の環境問題意識の高まりから産業廃棄物処理費用の増大があり、収益圧迫要因は多岐にわたっており、適正な収益体質の確立が早急の課題。
 2012年度の需要見通しについては「需要動向は先行きつかみにくい。しかし、国内の完成車メーカーは昨年の生産減を取り戻す勢いで、強気の生産計画を発表、新車生産の動向に注視したい」としており、震災で甚大な被害を受けた東 北地域の本格的なインフラ復興も期待される。
 わが国のゴム精練メーカーは、大手ポリマー系列で大量生産を得意とするメーカーと小口練りを得意とする中堅メーカーに二分される。
 大手メーカーはゴム加工メーカーの海外生産拡大などを背景に、海外でのゴムコンパウンドの生産強化を積極展開、タイや中国での増産を進めている。一方、 中堅メーカーは、国内で特殊配合技術を駆使してカスタマー分野を狙いに受注を 確保している。(2012年2月27日紙面掲載)

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