【CMB特集】 角一ゴム工業 広範な需要分野を開拓

2012年03月15日

ゴムタイムス社

技術力高めニーズに対応

 明治38年創業のCMBメーカー、角一ゴム工業㈱(神戸市西区玉津、宮田直樹社長)は、常に新技術に挑戦し、多様化する顧客ニーズに応えるとともに「お客様の満足と信頼」を第一義に高品質マスターバッチを供給している。
 宮田社長は2010年4月に旭化成から出向して白木社長の後任として就任、優れた技術力をバックに白木前社長の経営路線を踏襲し、新たな市場開拓に努めている。
 「リーマンショックによる世界同時不況を乗り越え、2011年は順調な回復が期待されていたが、3月の東日本大震災で自動車部品のサプライチェーン寸断により自動車生産が減少、この問題は比較的短期で解消し、生産の回復が見込まれていた矢先にタイにおける洪水問題で再び自動車生産が減少、自動車部品向けCMBの減少により、2月期業績は売上高が前期比1割減となった」(宮田社長)。
 同社のCMBは、原料ゴムとしてはNR、SBR、NBR、CR、EPDM、ACM、BR、IIRなどで、主要生産設備は9号バンバリー、6号バンバリー、3号バンバリーミキサーが各1台、24インチロール2台、22インチロール1台、このほか冷却乾燥機(多段ネット式、ネット水車式、ハンガー式各1台)。試験設備はムーニービスコメーター、キュラストメーター、オートグラフ、老化試験、試験プレス、試験ロール。生産能力は月産500㌧。
 近年、製造業における環境対応が進んでおり、同社の環境基本方針は、2010年6月、宮田社長の就任とともに新たに定められたもので、①環境保全に関する法律およびその他の合意事項を順守する②廃棄物の削減、リサイクルおよび再資源化(ゼロエミッション)を推進する③地球環境保護のために省資源・省エネルギーを推進する④環境改善活動を継続的に推進し、環境負荷の低減と環境汚染の予防に努める⑤この環境方針は社外に公表するとともに、組織構成員全員に周知徹底し、一人ひとりの環境に対する意識向上に努める―という内容。
 今年度の需要動向については「北米並びに欧州の経済動向や中国の景気動向に左右されると思われるが、国内は自動車のエコ減税(補助金制度)の復活により、新車販売が順調に伸びることを期待したい」(宮田社長)とし、自動車部品以外にも電線関係、土木資材、工業用パッキンなど市場開拓の可能性があり、生産技術を磨き顧客サービスの充実により、需要確保に努める方針。直面する課題は原油・ナフサ価格高騰による原材料メーカーの値上げ打ち出しへの対応だと言う。(2012年3月12日紙面掲載)

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