企業特集 オーディオゴム・テクニカル  連結パッキンのスライス技術を新開発

2012年03月06日

ゴムタイムス社

 オーディオゴム・テクニカル㈱(本社=愛知県刈谷市 石川明宏社長)は自動車部品をはじめOA機器、超精密機械部品などに関する製品の高度化のニーズに対応するため、一貫した生産管理体制を構築している。
 特に同社が得意とするのがスライス技術。ユーザーのニーズに対応するため、スライス技術を特化させ、海外製品に対抗しうるコストダウンや品質を向上する体制を作りあげてきた。
 最近の製品動向は「従来は製品の精度が重要視されたが、現在はコストダウンができ、さらに精度が重要視されている」(石川社長)。
 
 ゴムスライス製法はゴムプレス製法で品質が困難な製品でも安定した品質、寸法精度で生産することができるという。
 特徴は①型費は初期投資のみで、くい切り消耗による再投資がない分低コスト。②スライス製法では、端材部分のみ廃棄するので、プレス製法に比べ廃棄量が少なく、歩留まりがアップする。③バリ取りの工程、ロスがない。④高精度でむらのない安定した品質が可能などがある。
 「プレスでしかできなかったことをスライス技術に置き換えることでコストダウンに貢献できる」と意気込みを語った(石川社長)。
最近の新技術では、従来のスライスの概念を根本から変える連結パッキンのスライス化が実現可能になった(写真①)。
 さらにゴムパッキンの薄さ世界一へ挑戦しており、現在0・03㎜までのスライスが可能(左上の写真)。「スライス技術の可能性を広げていくことでスライス分野の裾野が広がっていくと考えている。その結果、スライスの市場が大きくなり、その機会を活かして営業を拡販していきたい」(石川社長)。
 最近の実績では「今期(3月決算)は昨年の震災の影響で一時期下がったが6月には回復した。」(石川社長)
 同社は従来のスライスの概念を変えるようなスライス技術で製品を常に開発していきながら、ユーザーに技術提案型の営業で拡充していく。