横浜ゴム 洋上での荷役作業支援システムを開発

2012年02月29日

ゴムタイムス社

 横浜ゴム㈱は、空気式防舷材の設計技術と船体動揺解析技術を応用した「2船体操船および係留監視システム」を開発した。

 同システムは洋上で2隻のタンカーを接舷し原油や液化天然ガス(LNG)などを移送する際、船体間の緩衝材として使用される空気式防舷材の状態と2船の操船状況を同時に監視する洋上2船体間荷役作業の総合監視システム。無線を利用して防舷材の状態を総合監視するシステムの実用化は世界初となる。

 同システムは、独自に開発した無線式圧力センサーを空気式防舷材に内蔵することにより、2 船体間接舷および荷役中に、時々刻々変化する防舷材の内圧や圧縮量変化を遠隔監視することができる。さらにGPS などを利用することで2船体の位置や接舷速度の監視も可能である。同システムの導入により、船長や荷役管理者は船橋にいながら空気式防舷材や2船体の状態を一括監視することができるため、防舷材の過圧縮や内圧低下、過大な接舷速度などの異常な状況が発生した場合はそれをいち早く検知し、船体接触事故やそれらに起因する原油流出などの重大事故防止に貢献する。また、同システムの警報機能や記録機能は荷役の安全確認、運用基準の策定、事故発生時の原因分析などに有用である。すでにメキシコ湾で原油タンカーを使用したフィールドテストを完了し、2012年11月から北海道苫小牧港で行われているLNG の2船体間荷役でも試験運用されている。

 空気弾性特有の柔らかい特性を持つ空気式防舷材は海象の厳しい港湾や洋上2船体間荷役で数多く利用されている。今後、付加価値の高い「2船体操船および係留監視システム」を併せて展開し、空気式防舷材市場でのさらなる差別化を図る。

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