コンチネンタルタイヤ EV用タイヤ発表

2012年02月28日

ゴムタイムス社

 コンチネンタル社(ドイツ、ハノーバー本社)は2月14日、電気自動車とハイブリッド車専用に開発された次世代タイヤ 「Conti.eContact」 を発表した。

 このタイヤの開発に際し、開発エンジニア達の優れた功績は、転がり抵抗を大幅に低減することで電気自動車の走行距離を延ばし、ハイブリッド車ではエンジンでの走行を減らし、モーターでの走行の割合を増やした。安全性能についても、本社のあるドイツ、ハノーバーの開発部門によってその他のタイヤ製品と同じ高いレベルを維持している。新しい「Conti.eContact」はドイツ、コルバッハの乗用車用タイヤ工場で生産され、ルノー「Twizy」の単独サプライヤーとしての最初の新車装着タイヤの承認を得た。コンチネンタルは、2020年までに電気自動車の登録台数が全世界で280万台を越えると予測しているが、これはマーケット全体の3%に相当する。

Conti.eContact

 

 電気自動車用タイヤは、大幅な転がり抵抗の低減、より低い騒音レベルなど従来の自動車用タイヤとは異なった要求を満たさなければならない。その一方で高速走行性能への要求は低くなっている。直進安定性とハンドリング性を高水準で維持する為に、異なったトレッドパターンを採用するケースがあり、前後で違うトレッドパターンを使用する場合もある。タイヤサイズも車種によって異なり、例えば、小さく、幅の狭いタイヤは軽量で街乗りタイプの車向けが多く、大型の電気自動車のタイヤは20インチにもなる。

 転がり抵抗は従来のタイヤより30%低減しているが、コンチネンタルのエンジニア達は独特なタイヤサイズでこれを達成した。「Conti.eContact」は、195/55R 20をテストサイズに設定したため、外観は非常に大きく幅は狭くなった。タイヤの外径が大きいおかげで、発進時の接地面の変形は軽減され、転がり抵抗も低減される。また従来のタイヤと同等の負荷能力を維持することができ、さらに、サイドウォールは、タイヤがたわんだ時にエネルギーロスが緩和される設計になっているため、重量も大幅に軽減した。結果、転がり抵抗は更に低減された。また、4つの縦溝、多数刻まれたサイプ、横溝を入れないデザインと堅固なトレッドリブが、転がり抵抗低減と低い騒音レベルを高いレベルで最適化し、ウエット路における正確なハンドリング性、安全なブレーキ距離も達成した。路面に水平なタイヤ形状は、タイヤが転がるときに発生するタイヤ内部の抵抗を抑制し、転がり抵抗を低減している。サイドウォールは、エネルギー消費を緩和する様に設計されている。開発担当者はできるだけ空気抵抗を低く抑える為にトレッドとサイドウォール部が交わる部分のエッジや通常のデザインを採用しませず、これらの特性「Conti.eContact」を電気自動車やハイブリッド車にとって理想的なタイヤにした。

 コンチネンタルは、タイヤの転がり抵抗を大幅に低減することによって、電気自動車の要求するエネルギー削減と走行距離の延ばすことを目標としている。さらに100km走行時で消費されるエネルギーの削減、バッテリー充電に必要な時間の短縮によって、消費者が電気自動車、ハイブリット車を選択肢とする機会が増えるだろう。

 サイズは80 series: が125/80 R 13 M  と145/80 R13M。  55 seriesが

195/55 R 20 T (予定サイズ)。  「Conti. eContact」 の日本での発売予定は未定。

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