ニュースの焦点 日銀短観 連続改善も先行き不安感

2010年10月12日

ゴムタイムス社

日銀が9月29日発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業・製造業がプラス8と、前回の6月調査(プラス1)から7ポイント上昇し、6期連続で改善が図られた。 中国、インドなどの新興国向け輸出の好調に支えられ、08年6月のリーマン・ショック前を上回る水準を回復したが、改善幅は前回の15ポイントから縮小した。 3ヵ月先の12月予想も9ポイント下落のマイナス1と悪化に転じるとしており、円高などを背景に景気の先行き不安が広がったとしている。 大企業・製造業の業種別DIを見ると、前回に比べプラス幅が大きく改善されたのは、自動車プラス32(6月プラス18)、輸送用機械プラス27(同プラ ス13)、電気機械プラス14(同プラス6)、汎用機械プラス19(同プラス8)、非鉄金属プラス33(同プラス11)、石油・石炭製品プラス26(同ゼ ロ)、化学プラス16(同13)となっており、全16業種のうち、紙・パルプと食料品を除く14業種が改善した。 特に自動車はエコカー補助終了前の駆け込み需要もあり前回から14ポイント上昇、電気機械も新興国向けのデジタル家電販売の好調で8ポイント上昇した。 しかし、12月予想の3ヵ月先は円高による採算悪化などを懸念し、全業種でプラス8からマイナス1へと9ポイント悪化と見込んでおり、エコカー補助金の 終了を受け、生産減が見込まれる自動車は過去最大の38ポイント下落、電気機械も9ポイント悪化としており、景気の停滞感が拡大している。 中小企業製造業もマイナス22ポイントで9月時点より悪化すると予想。

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