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ニュースの焦点 大転換期の自動車業界

2010年08月09日

ゴムタイムス社


「回復の兆しが見え始めた自動車業界」と題して、日本ゴム工業会主催の時事問題講演会が開かれた。シティグループ証券㈱調査本部株式調査部の松島憲之マネ ジングディレクターが講師となり、自動車業界が大転換期に入ったことを示唆した。副題は「生き残りの鍵は環境技術力、新生産革命、新興国開拓」。 松島氏は競争のルールが大きく変化し「競争相手と競争領域が別次元化、新しい収益構造の確立が必要になってきた。2010年の注目点としては、収益面で対応を迫られる緊急課題であり、目標は収益確保と競争優位性の確立」と指摘。 今後、自動車部品メーカーに求められるのは「TGIF」だという。 「T」はテクノロジー。環境対応や自動車のデジタル化、テレマティスクなどの技術課題対応が新市場の開拓につながり、システム化・モジュール化などを取り入れ、新生産工法の開発による飛躍的なコスト競争力のアップが生き残りの条件になる。 「G」はグローバル。自動車メーカーはグローバルに車台の共通化を行い、コストダウンを進める。世界各地への供給体制、グローバル価格を部品メーカーに求めている。さらにグローバルな提携も活用したインフラ整備、世界最適生産の構築が必要。 「I」はインベストメント・アビリティ。自動車メーカーのアウトソーシングが拡大し、部品発注の大ロット化の傾向が強まる。受注獲得には工場建設など投資余力、リスク負担が不可欠。合弁パートナーとの共同受注も今後は重要な戦略となる。 「F」はフレキシビリティ。収益環境変化に対応したコストコントロール力の有無が利益に直結し、労働コストの変動費化、設備投資革命による固定費抑制などを進め、数量変動に強い工場の実現が必要。 自動車業界の大転換期としては新素材や情報技術のイノベーションとして「車体軽量化要求はさらにレベルアップし、炭素繊維などの活用分野が拡大する」と し、収益地域の変化では「先進地域の需要低迷の長期化、これに対して新興国での需要拡大の加速、低価格製品の活用による収益構造革命」などを指摘した。 究極のエコカーであるEV車への過渡期。ハイブリッド車がそのけん引役となるが、コンパクトカーを中心とした低燃費のガソリンエンジン車もしばらくは続きそうだ。

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