日本バルカー工業 原材料価格上昇が響き減益に

2012年01月26日

ゴムタイムス社

 日本バルカー工業の2012年3月期第3四半期連結決算は、売上高284億200万円、前年同期比3・3%増となった。利益面では将来の成長に向けた先行投資の負担増や原材料価格の高止まりなどの影響から営業利益18億9400万円、同21・4%減、経常利益19億6200万円、同14・5%減の減収減益となった。四半期純利益は12億100万円で同12・0%減。
 シール製品事業は、重化学工業や自動車産業における生産活動の立ち直りを反映し、売上高が216億7500万円で前年同期比2・0%増となったものの、原材料価格上昇の影響やプロダクトミックスの変化などにより、営業利益は22億3500万円で同7・3%減となった。
 機能樹脂製品事業は、国内市場における収益性を高めるべく製品の選択と集中を行う一方、中国市場において拡販を図り、売上高は64億1200万円で同11・8%増となったが、先行投資負担増や原材料価格上昇の影響を受けて、営業損失が4700万円。前年同期は営業利益8600万円が発生している。
 新規分野として着手しているメンブレン製品事業は、顧客側の生産拠点シフトの影響や新市場向け製品の立ち上げの遅れなどにより、売上高が3億1400万円で同40・1%減で営業損失が2億9300万円。前年同期は営業損失8800万円となった。
 連結業績予想に関する日本経済は、震災復興関連需要を勘案してもほぼ横這いが見込まれる一方、為替円高、海外経済の減速などがマイナスの影響を及ぼすことが懸念もあり、同社は「NV・S5」の最終年度にあたる当期についても、「選択と集中」によるコア事業、コア技術の強化と徹底した合理化、効率化により経営体質を強化するとともに、グローバル市場における持続的な成長と震災からの復興に向けての貢献に注力していく。通期の連結業績は売上高375億円、営業利益32億円、経常利益31億円、当期純利益19億円を見込んでいる。

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