ブリヂストン タイヤ側面に写真の印刷も可能  カラー印刷技術を新開発

2012年01月23日

ゴムタイムス社

 千葉市の幕張メッセで13日~15日の3日間開催された「東京オートサロン」で、ブリヂストンは、自動車タイヤの側面をカラー印刷する新技術を発表した。 この新技術は社内で「パンドーラ」と呼ばれている極秘プロジェクトで、今回公道での一般走行で耐える印刷技術が完成に近づき、開発の途中で出願していた特許も公開される時期に なったため発表されることになった。  これまでにも、サイド部に白いゴムを採用したホワイトリボンタイヤなどはあったが、耐久性などを確保するために多くの白いゴムを表面だけでなく内部にも使うため重くなり、タイヤ質量が増える傾向にあった。  また、タイヤは常に伸縮を繰り返しており、温度も大きく変化し、紫外線や 空気中のオゾン、老化防止剤などの薬品の影響などにより、塗装にはもっとも適さないパーツとされている。  これに対し、今回開発したタイヤ印刷技術は、タイヤから出てくる薬品をブロックするブロック層の上に、タイヤ表面の伸縮に追づいして接着力を失わない印刷層、その上に紫外線などの外傷を緩和するための印刷保護層の3つの層を印刷することで、カラフルに塗装することができ、タイヤが重くなることもなく、燃費を含め環境に配慮しながらタイヤをドレスアップできる。塗装方法は、まず白を印刷しその上に三原色で印刷する。  将来的にはユーザーによるオリジナルデザインや写真などをタイヤサイド部に印刷するサービスや何回も塗り替えできるサービス、暗闇でタイヤがよく見える印刷、タイヤの傷を一目で判別できる印刷などデザインそのものに機能を持たすユニバーサルデザインの適用や企業広告をタイヤの表面に印刷したりなど、ビジネスとしての展開も考えているという。  川合誠一郎執行役員は「タイヤは100年間黒色で全く変化がなかったが、フルカラーに向けてスタートを切った。今後の商品展開に期待してください」と話した。

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