JSR バイオメディカル分野に積極投資

2012年01月19日

ゴムタイムス社

 JSR(株)(小柴満信社長)は、オーストリア、ウイーンにある生物医薬の分野での分離・精製のエキスパートであるBIA Separations社に対して、2011年11月14日に戦略的投資を実施した。BIA Separations社は世界唯一のCIM(Convective Interaction Media)の開発製造会社。CIMは、小型のモノリス型クロマトグラフィカラムで、研究用途ならびに工業用途において巨大なタンパク質やDNAなどの生体分子の分離、精製に最適とされているが、この投資により、同社およびBIA Separations社は、ワクチン、遺伝子治療薬、抗体医薬に使用される医薬有効成分を分離精製するための充填剤(メディア)をつめた筒状の容器「クロマトグラフィカラム」において共同販売、マーケティング等の事業提携を開始することになった。

 BIA Separations社は、DNAなどの大きなたんぱく質を分離・精製することのできる、填剤の代わりに一体成形された精製メディアを用いる小型のモノリス型クロマトグラフィカラムを開発製造している。同社は、今回の提携により、今後BIA Separations社の有する先端的な生物医薬の精製技術を活用することが可能となる。また、同社の保有する抗体精製用 プロテインA クロマトグラフィメディアなどのアフィニティ精製用粒子とBIA Separations社の技術を合わせることにより、高流速、高信頼性、かつ高効率の精製技術を市場に提供することが可能となるため、先端医療分野にも大きな貢献が期待できるという。

 BIA Separations社も今回の提携により、高品質な製造技術を持ち高分子化学分野でのリーディングカンパニーである同社が後ろ盾となることから、顧客に対して長期的な製品供給保証をアピールすることができるようになると期待している。

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー