JSRとエラストミックス アジアでCMB能力拡大天津で新工場建設を決定

2011年03月28日

ゴムタイムス社

  JSR㈱および子会社の㈱エラストミックスは、中国・天津のCMB(カーボンマスターバッチ)生産拠点を移転し、新工場を建設するとともに、併せて生産能 力の拡大を行うことを決定した。新工場は2012年年央に竣工予定であり、現工場から生産ラインを移設させて新ラインの増設を行う。主要顧客である日系自 動車部品メーカーの進出、増産への対応に加え、ローカル顧客への拡販を図る。 中国・天津の合弁会社、天津国成橡膠工業有限公司は、天津市静海県に工場を持ち、中国北部・中部の日系自動車部品メーカーを中心にCMBを供給している が、現工場は敷地面積も充分でなく、生産能力拡大に限界があり、今後のさらなる需要増に対応するためには近隣の開発区内に新たに土地を取得し、新工場建設 が必要と判断した。 現工場はA練り用に110?クラスのインテンシブミキサーを3系列、B練り用に110?ニーダー2系列を保有しているが、新工場への移転に伴い180?インテンシブミキサー1系列を増設する。 今回の増設により、同社の生産能力は従来の年間1万5000㌧から2万㌧へと5000㌧拡大する。 JSRおよびエラストミックスは2010年9月に中国・佛山の100%出資会社(日密科偲橡膠〈佛山〉有限公司)でB練り用110?ニーダーラインの増 設を完了させたほか、タイ国・ラヨン県の合弁会社(エラストミックス・タイランド)で年初に第3生産工場(同一敷地内)を竣工させ、2011年中にはA練 り用180?インテンシブミキサー1系列およびB練用ミルブレンダー1系列の増設を予定するなど、継続的にアジアでのCMB生産能力を増強していく。 エラストミックスでは、アジアにおける自動車需要の増加を背景とした顧客の海外シフトとローカル需要の増加に対応するため、アジアの生産拠点を拡大し、グローバルなCMB供給体制の強化を図っていく。 CMBは、原料ゴム(合成ゴムや天然ゴム)に、カーボン等の補強剤や添加剤等を混合・分散させた配合ゴム。ゴム成形製品製造のために必要な一次加工プロセスを経た中間製品。 配合ゴムの製造工程は、A練り工程とB練り工程からなる。A練りはゴム原料にカーボンブラック等の補強材やその他の添加剤等を添加する工程。一方、B練りはA練り工程後のゴムに硫黄等の架橋材を添加する工程を指す。 インテンシブミキサーは密閉式ゴム混練機の一種。2本の回転するローターの間でゴムを練る。ニーダーは密閉式ゴム混練機の一種。インテンシブミキサーに 比較すると比較的安価だが、動力が低く、低トルクのため発熱性や混練能力は劣る。 〈会社の概要〉 ▽社名=天津国成橡膠工業有限公司 ▽本社・工場所在地=中国天津市静海県経済開発区 ▽敷地面積=3万3300平方㍍(新工場移転後) ▽資本金=220万㌦(11年中に260万㌦へ増資予定) ▽総経理=谷本勉 ▽株主および出資比率=国成工業股?有限公司50%、JSR27%、エラストミックス23% ▽従業員数=約160名

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