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カーボンブラック協会 年頭所感 工藤能成会長

2012年01月17日

ゴムタイムス社


 顧みますと昨年の日本経済は、リーマンショックから立ち直りかけたところで東日本大震災に見舞われ、更にアメリカ経済の立ち直りの遅れ、中国を中心とした新興国の成長ペースの緩慢化や、ギリシャの債務問題をきっかけとした欧州経済の急激な悪化などにより、株安、超円高を招くなど、内外の経済が大きく揺れる中での1年でした。
 そのような経済状況の中、震災等によって昨年の自動車生産は、2010年並の960万台の計画から、830万台と大幅に低下するものと予想されます。
 しかしながら、自動車が低生産に追い込まれるという状況はあったものの、カーボンブラックの主要な用途先であります自動車タイヤの需要は震災にもかかわらず旺盛でしたので、年央の計画並(2010年比 97%)に止まるものと見込まれます。
 次に本年の見通しですが、外需の伸びが再びプラスに転じることに加えて、財政支出にともなう公的需要の拡大、震災復興の本格化などで設備投資などが活発化し成長率を上げるものと見ています。また、個人消費も再び拡大傾向を示すとみられるなど、内外需ともバランスした成長に向かうと見込まれます。ただ、円相場の動向や欧州の財政危機が主要国へ波及したときに輸出環境が大きく変わりうることは、大きな懸念材料です。
 このような経済環境の下でのカーボンブラック需要動向ですが、タイヤ輸出需要は一時期ほどの勢いは見られないものの、昨年ののような想定外のトラブルが無ければ、カーボンブラック需要は一昨年の2010年と同程度(昨年の4%増)になるものと期待しております。
 私どもカーボンブラック業界といたしましては、不況時であればこそ危機を好機に変える英知を結集し、局面打開の底力を生み出す一層の厳しい努力が必要であると自覚致しております。
 環境問題、原料問題、保安・設備の課題、並びに品質・技術に関連する研究開発に対し、きめ細かな対応で取り組み、日本メーカーの底力をもってお客様にご安心とご満足をいただけるよう鋭意努力を重ねております。
 今年は「辰」年です。竜は水中に棲むとされ、鳴き声で嵐や雷雲を呼び、竜巻となって昇天し、飛翔するそうです。今年は、竜の昇天するような勢いでカーボンブラックの需要が拡大することを祈りたいと思います。

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