住友ゴム 「強化ガスホース」製品の自主回収 点検・交換作業を実施

2012年01月16日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は12日、2011年9月から10月にかけて同社が製造し、東京ガス(株)に納入した「13mm強化ガスホース」のうち、一部製品において、仕様外製品があったと発表した。
 仕様を外れた製品は、初期に気密が保たれない場合は施工時または開栓時の漏洩検査で不適合となるが、一部の仕様外製品が初期の漏洩検査に合格した場合、直ちにガス漏洩は発生しないが、時間の経過によっては極めて微量のガス漏洩が発生する可能性が否定できないため、その可能性を回避してユーザーの安心と安全をより確実なものにするため、当該製品を自主回収することを決定した。なお同社は市場からの当該事象によるガス漏れ等の情報はなく、東京ガス(株)以外に納入している強化ガスホースに関しては、仕様、製造期間等が異なるため、問題はないという。
 同社では、本事象はガス機器の設置工事時、またはガスご使用開始時に同社が実施する漏えい検査において、作業員がごく微量のガスの漏えいを検知したもので、これまでに同事象が5件報告されている。なお、これまでのところ使用中の当該事象によるガスの漏えい等は発生していない。また、設置工事時もしくはガスご使用開始時に実施する弊社の漏えい検査で問題のない場合には、ただちにガス漏れの発生する可能性が極めて低いことも確認しているという。
 東京ガスは、今後もガスを安全に使用していただくために、風呂がまや小型湯沸器等の設置工事に伴って当該品を使用した可能性のあるユーザーにダイレクトメールを発送するとともに、下記のとおり点検・交換作業を実施。
 平成23年9月16日から12月21日の間に風呂がまや小型湯沸器等を設置したユーザーは、機器に接続された「強化ガスホース」を確認したうえで、対象となる当該品が接続されている場合、また、当該品が接続されたガス機器を使用している場合は、同社による点検ならびに交換作業が完了するまでの期間、ガス機器周辺からガスの臭気がないか確認をし、ガス臭いなどの異常を感じた場合には、ガス栓を閉め、すぐに使用を停止し、下記のフリーダイヤルへ連絡をする様にとのこと。

1 点検・交換対象となる「強化ガスホース」の数量・種類
商品名「13mm強化ガスホース」
表示 ホース側面に「1109 SR K」「1110 SR K」の茶色の文字で記載のあるもの数量  2842m(設置換算件数:2842件)
2 東京ガスのダイレクトメールの発送について
 平成23年9月16日から12月21日の間に風呂がま、小型湯沸器、給湯器、ビルトインコンロ、ガスオーブン等を設置した約6万2000件のユーザーに、今後、販売会社に確認のうえ、機器の設置に伴い「強化ガスホース」を使用した可能性のあるユーザーにダイレクトメールを発送する。
3 当該事象の判明に至る経緯について
東京ガスは機器の設置を行っている販売会社から、都内で「強化ガスホース」を使用して風呂がまの設置工事を平成23年11月10日に行った際、新品の「強化ガスホース」を使用して施工したにもかかわらず、設置工事終了時のガスの漏えい検査において、「強化ガスホース」と金属継手の接続部分から微量のガスの漏えいが発生した旨の連絡を11月11日に受けた。その後、11月14日に同社で「強化ガスホース」の断面の内径ならびに厚みの寸法が仕様書の範囲外であることを確認し、11月15日に製造元である住友ゴム工業に連絡を行なった。なお、その後、12月17日までに同様の事象が4件報告されている。
 住友ゴム工業は詳細な調査ならびに実験を行い、本年1月5日に原因ならびに設置後からの時間の経過によるガス漏れの発生の可能性について報告した。
4.当該事象の発生に至る原因とメカニズムについて
住友ゴム工業の調査結果によると、「強化ガスホース」の最も内側部分となる内層ゴムの成型の工程において、夏場の高温期に長期間保管していたことで、極端に高い粘度となった、流動性が下がった原料ゴム(練りゴム)を製造に使用したことにより、内層ゴムの表面の一部に凹みが発生し、製品の断面において内径ならびに厚みの寸法が仕様書の範囲外となったという。製造後の検査工程において、100m単位での断面寸法検査では合格していたが、発生が部分的であり、15mにカット後の端面確認で前例のないスジ形状についての不良品見本と良品見本が無かったため、当該形状品は良品と判断され、出荷されることとなった。
 ガス機器の設置工事において、「強化ガスホース」を接続する際には金属継手を使用するが、内層ゴム部分と金属継手との接続部において、この凹み部分の密着度が低くなることから、設置後からの時間の経過により、製品のばらつきによる一部の製品で、極めて微量のガスの漏えいが発生する恐れのあることが判明したもの。なお、設置当初の漏えい検査で問題のない場合については、ただちにガス漏れの発生する可能性が極めて低いことが確認されているという。
5 ユーザー様へのお知らせ
 東京ガスでは平成23年9月16日から12月21日の間に風呂がまや小型湯沸器等の設置工事に伴って当該品を使用した可能性のあるユーザーに無償点検・交換作業を実施する。また交換作業が完了するまでの期間、機器の使用に関する注意のお願いについて記載したダイレクトメールを発送。
 また、東京ガスのインターネットホームページ〈http://www.tokyo-gas.co.jp/〉にも掲載される。
6 点検ならびに作業内容
 東京ガスの販売会社(東京ガスライフバル、エネスタ等)ならびに工事会社の作業員が対象のユーザに事前に連絡のうえ、当該品の設置された可能性のあるお宅を訪問して、点検ならびに交換作業を無償で行っていく。

(1)作業内容 別メーカー製の「強化ガスホース」に交換。
(2)作業時間 約40分

7 問い合わせ先
(1)フリーダイヤル 0120-201-506
(2)受付開始日   平成24年1月12日
(3)受付時間    平成24年1月22 日まで9:00〜19:00(土日含む)
平成24年2月10 日まで9:00〜19:00(土日覗く)
平成24年2月13 日まで9:00〜17:00(土日祝日・12/29〜1/3除く)

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