新春トップインタビュー 早川ゴム

2012年02月07日

ゴムタイムス社

早川ゴム 早川 雅則社長 -2012年1月1日号掲載-

「改修」、「環境」、「海外」分野に注力 「放射線環境ゴム配合」製品を拡販

 「放射線環境に強いゴム配合」製品が震災復旧工事に使用され、社会貢献できたことを誇りに思う、と胸を張る早川雅則社長。12年度の経営基本方針を聞いた。

 ―11年を振り返って。
 早川社長 震災の影響もあり、一言で言うと苦しい1年であった。11年12月期業績は売上高が88億円、前期比95%、経常利益1億円程度の見込みで減収減益となった。東日本大震災の影響という逆風を考えると、善戦したと言える。上期は3月に発生した東日本大震災の影響を大きく受け、原材料の入手や売上の減少に苦しみ、その結果、赤字で折り返した。下期に入り、景気回復傾向に伴い9月以降、黒字基調に推移した。夏場に取り組んだ早出出勤やサマータイム実施などの省エネ活動では1000万円近くの効果を挙げることが出来た。省エネ意識も高まり、利益面でも貢献してくれた。
 また、震災に伴って、福島第一原発が国難とも言える事態に陥ったが、こうした中で当社が5年前に開発していた「放射線環境に強いゴム配合」を使った製品が復旧工事に使用され、社会貢献できたことを誇りに思う。サッカーで例えると、「前半に2点を入れられたが、後半に2点を入れ同点とし、終了間際に決勝ゴールを入れて、勝利することが出来た」と言える。
 ―売上高の部門別概況は。
 早川社長 土木用止水材、建築用防水材の建設用資材は売上高が49億円、前期比98%となった。土木用止水材は耐震改修用途の止水材が好調だったこと、コンクリート湿潤養生マットや用水路目地改修材等の新製品効果があり、前期比98%となった。建築用防水材は上期は低調に推移したが、下期に入り工場や流通施設の受注が増えたことで前期比99%とほぼ前期並となった。
 住宅防音材、化成品、自動車部品などの産業資材部門は全体で売上高35億円、前期比94%と落ち込んだ。住宅産業が好調であったため、住宅防音材と化成品は前期比103%と堅調に推移したが、自動車用品は国内販売の落ち込みを受け前期比80%となった。
 一方、プラスチック微粒子「ハヤビーズ」の新規事業は液晶パネル業界の不況によりユーザーの在庫調整が長引き、売上高は4億5000万円、前期比75%と低調に推移した。
 ―12年度の業績予想は。

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