新春トップインタビュー クラレプラスチックス

2012年02月06日

ゴムタイムス社

クラレプラスチックス 佐々木 譲社長 -2012年1月1日号掲載-

伊吹工場内に開発棟を新設

3ヶ年の新中計を立案 海外委託生産比率引き上げ

 12年のキーワードは「変える、変わる、失敗を恐れず」と語るのはクラレプラスチックスの佐々木譲社長。3ヵ年の新中期経営計画を立案し、グローバル展開にも注力する方針だ。佐々木社長に事業方針を聞いた。

 ―2011年を振り返って
 佐々木社長 リーマンショック以後、企業体質の強化を第一に取り組んできたが、その成果が出て業績改善につながった一年であったと思う。東日本大震災や福島原子力発電所の事故、さらに大型台風や世界をみれば欧州の経済危機問題、米国の景気低迷、さらにはタイでの大洪水被害など、景況に加えて気象関係で大変だった一年だ。
 ―業績見込みは。
 佐々木社長 2010年度の業績は、売上高が76億5000万円、営業利益は4億3000万円だったが、11年度は体質強化から販売が伸び、売上高は81億6000万円程度、営業利益は4億6000万円程度を見込んでいる。この水準は2006年度の過去最高実績には達しないものの、当初の年度計画対比では売上高は若干下がるものの営業利益は上ぶれとなる。
 ただ、足元の市場環境は下期に入り減速感が表れており、年明け以降は不透明感が強い。
 震災の本格的な復興が12年度以降、期待され、当社は11年5月に仙台駐在所を開設、市場調査を開始している。
 ―事業別の動向は。
 佐々木社長 ゴム・化成品では、汎用ホースが厳しい状況にあった。しかし、住宅着工件数が伸びない中で、高級住宅向けの空調・換気ダクトが順調に推移、不燃ダクト「ファイアブレイク」も順調に販売を伸ばした。
 伊吹工場のホース生産ラインだが、従来の2系列がフル生産を続けており、震災の影響で1ヵ月稼動が遅れたが、新たに2系列を増設し、9月から試験運転を開始した。これによりホースの生産能力は倍増となり、今後の高機能ニーズに応える供給体制が整った。投資額は1億円強だ。

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