新春トップインタビュー 住友ゴム工業

2012年02月01日

ゴムタイムス社

住友ゴム工業 池田 育嗣社長 -2012年1月1日号掲載-

NEXT活動で新しい収益源確保

低燃費タイヤ市場で優位性 グローバルに生産・供給体制構築

 NEXT活動で新しい収益源の確保と全体最適を推進する住友ゴム。東日本大震災直後に社長に就任し、白河工場の復旧に陣頭指揮をとった池田育嗣社長に2012年の経営課題と方針を聞いた。

 ―11年を振り返って。
 池田社長 宮崎の新燃岳の噴火による降灰への当社社員のボランティア活動、3月に発生した東日本大震災での宮城、岩手、福島の当社販売会社社員の無償パンク修理などの対応に、自らも被災しながら自分が苦しい時でも近隣、仲間のことを思ってくれることがうれしく誇りに思う。住友ゴム魂が健全であり、我々の宝であることを実感し、これからも継続していきたい。
 11年度の業績についてはスポーツ事業とハイブリッド事業が苦しんだが、タイヤ事業で支えることが出来、公表以上の業績になると思う。原材料の高騰が止まらないのと増収だが減益でスタートした。出足は降雪に恵まれスノータイヤの販売が好調に推移、新興国でのビジネス拡大、輸出も好調であったが、3月の東日本大震災で大きな影響を受けた。スポーツ事業はゴルフプレイ自粛で全く前が見えなかった。この次期に社長に就任し、印象深かった。白河工場はベストスピードで復旧したことをうれしく思う。東北の営業部隊の元気さは感動ものであった。震災からの復旧が進む一方、天然ゴム価格が過去最高を記録、為替も超円高と悪い環境の中でビジネスを展開してきた。秋以降のタイ洪水も影響した。タイ国内の販売は全く機能せず、こうした中、社員が販売を伸ばし、値上げも着実に進めてくれたことは本当にありがたいことだと思っている。タイは水も引き徐々に回復しつつある。ハイブリッド事業は印刷用ブランケット、土木・海洋商品が円高で苦しんで増益は難しい。成長が期待される医療用クリーンラバー、制振材は2012年が楽しみだ。
 スポーツ事業では年末に販売を開始したゴルフクラブ「ゼクシオセブン」が大変好調で6代目のゼクシオ販売に比べ3倍以上の注文となり,生産が追いつかない状況である。
 海外事業では新興国での拡販を進めており、タイヤのグローバル展開はスピードを上げて検討している。2012年上期中にどこにどういう形で進出するかを発表したい。
 社長に就任してから自分の時間がなくなった。専務時代に比べ様変わりし24時間仕事をしている感じだ。自分が対応できることはすべてやる。私はモーレツ社員となった。ついてこいと言っている。もっと強い会社にしたい。
 ―通期の業績見通しは。

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