日本ゴム工業会 年頭所感 浅井光昭会長

2012年01月01日

ゴムタイムス社
浅井会長

浅井会長

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
   昨年は、リーマン・ショックによる景気後退から脱した2010年に続いて緩や
かながら回復が持続するとみられた矢先に、3月11日に発生した東日本大震災により国民生活ならびに経済活動は甚大な影響を受けました。
 ゴム業界におきましでも、多くの企業が震災の影響を受けましたが、復旧、復興に全力を尽くした結果、ゴム製品の生産は、サプライチェーンの寸断による国内自動車生産の減産の影響などから、3、4月は大幅に溶ち込んだものの、堅調な世界需要やサプライチェーンの復旧により回復基調に転じました。その後も、円高の進行、原材料高、電力不足など厳しい経営環境が続きましたが、各社の企業努力もあり、前年実績を上回る状態まで回復しました。しかし、秋口に発生したタイの洪水の影響で、主要な需要先が再び減産を余儀なくされたことから、前年実績を下回った製品もあり、最終的にはゴム製品全体の生産(新
ゴム量ベース)は、前年並に留まったと見込まれます。
 こうした中で、10月にISO/TC45の第59回国際会議を横浜で開催する
ことができました。当初は、震災の影響で開催が危ぶまれておりましたが、関係各位や会員の皆様のご協力で17ヶ国から160名余の方々の参加を得て、盛会裡に開催できました。世界に対してわが国ゴム産業の底力を示し、震災後の日本のPRに、いささかなりとも貢献できたと存じます。
 さて、新しい年2012年を迎えましたが、世界経済は、昨年から続く欧州の財政不安の問題を背景に、成長を続けていた新興国経済にも鈍化の兆しが見えるなど不透明感が増しています。また国内にあっては、一向に収まらない円高をはじめ、震災からの復興、電力供給不足への対応など早急な解決が求められる課題が山積しており、政府の効果的な対策が切望されますが、遅れ気味となっています。
 このような悪条件が重なる中で、われわれは、事業を継続、発展させていかねばなりません。引き続き大変難しい舵取りを求められますが、肝要なのは状況を適切に把握し、必要となる備えを見極め、今まで以上のスピード感を持って着実に進めていくことだと存じます。
 会員各伎の一層のご発展を念願し、たしますとともに、工業会としても、少しでも会員各位のお役に立てる情報を提供できるよう努力をいたしたいと存じます。関係各方面の変わらぬご支援、ご協力をお願い申し上げます。
以上

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