『特集』葛生鐵工所 高圧用ゴムホースが好調

2011年12月24日

ゴムタイムス社

ゴム・プラスチック用機械特集・葛生鐵工所

高圧用ゴムホースが好調 横型ブレードマシンに注力

葛生鐵工所

葛生鐵工所

 ㈱葛生鐵工所(葛生誠一郎社長)は昭和9年、川口市にて編組機械の製造を始めて以来、ブレーダー・ブレ―ドマシンメーカーとして建機などの高圧用ホース用ブレードマシンをはじめ、各種ブレードマシンと関連専用機メーカをして展開している。
 同社の編組機の特長は、高圧・耐圧ホース用ブレードマシン、各種ブレードマシンおよび関連専用機器の製造を手がけるなど、守備範囲がひときわ『広角打法』である点。そのため、さまざまな業種分野において、顧客企業のカスタマイズ機種開発への対応を得意としている。現在は建機向け高圧ホース用、ハイブリッド車向け平編み電線用をはじめ自動車用、フレキシブルチューブ用など各種用途および材料向けに、幅広い納入実績を持つ。最近は自動車分野、建機、HV車向けのほか、メディカル用カテーテルなどさまざまな用途分野の顧客ニーズに対応できる開発・生産体制を整えている。
 業績推移については上期は増収増益で、ひとつの要因として建機などの高圧ゴムホース関係の伸びがあった。しかし震災の影響は厳しく、7~9月以降が自動車販売減産の影響を受け、下期の業績に影響を及ぼしたが、10月に入ってから回復基調となった。また今回のタイの洪水については「洪水の影響があり、復旧作業を進行中。来年の稼働にむけての計画をしている」(葛生社長)。
 海外戦略として、同社は輸出と国内需要は半々。海外機械メーカーとコスト競争が厳しく、コストダウンの必要性を感じているという。
 最近の注力製品はNVE横型ブレードマシン(編組機)。同製品は大ボビンを採用した、ヤーン用およびワイヤー用を兼ねた製品である点が最大の訴求ポイントのひとつ。特長の一つである「ワークの高速化」は、カム部をベアリング方式としたことで従来比2倍の高効率生産を可能にした。また外径100φという大型ボビン採用により段取り替え時のムダ・ロスを解消。加硫後の未冷却状態での編み上げが可能など、生産効率の大幅向上を実現した。
 今後について、同社はタイの洪水でストップしていた新製品の開発を進めていき、自動車分野、建機を引き続き強化、また医療分野でも展開を進めていくという。(2011年12月19日紙面掲載)

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