『特集』日本磐石 大量生産で低コスト実現

2011年12月24日

ゴムタイムス社

ゴム・プラスチック用機械特集・日本磐石

大量生産で低コスト実現 ゴム用真空プレスが順調推移

 台湾機械メーカーで、世界のゴム用射出成形機市場で急速にシェアアップを達成していると指摘されており、その筆頭格のひとつが台湾(台中県)に本拠を構える磐石油圧工業、別名パンストーン社。その日本法人で、日本のパンストーン製品総発売元、日本磐石では台湾の台頭の鍵は「大量生産による低価格戦略」と、最初から「世界市場をターゲット」においたグローバル目線でのアプローチだという。
 同社の注力機械は、ゴム用真空プレス、同タテ型インジェクションマシン(射出成形機)が中心で、大きな特徴はシンプルで簡単操作ができる点。
 同社によると「上期の業績は増収増益。要因の一つとしてゴム用真空プレスが好調だった。まだまだ台湾の勢いは止まらない」(多留社長)。
 急速な需要拡大を受けて、同社では販売製品のメンテナンスサービス部門の充実・強化体制作りが欠かせないと判断。成形機などの維持・保守管理部門を東京地区と神戸地区にそれぞれ設置し、迅速な顧客サービス網構築にまい進している。
 下期の業績推移では、「今回のタイの洪水では、洪水の影響で台湾の機械の注文が大量によせられている。10月だけで約300台の受注があった。11月も300台くらいの受注でこの勢いは年内まで続くと見ている。しかし、下期では今後の海外の自動車生産動向によっては不透明感がある」(同社長)。
 近年はタイ、インドネシアなど東南アジアをてこにロシアへと市場拡大、販路網の充実に成功している。さらに今後はインドへの展開も視野にいれている。
 また多留社長によると「2005年にパンストーンの新工場が設立して以来、現在はその工場の大きさは3倍に拡大し、それでも生産が間に合わないのが現状とうれしい悲鳴を上げている」。
 その勢いを物語るのが、世界最大のゴムプラスチック見本市、ドイツの『K』展への台湾機械メーカーの大挙出展。こうした勢い見る限り、汎用ゴム成形機の世界市場におけるイニシアティブは、台湾勢が今後も握っていくと見てよいと同社では考えている。(2011年12月19日紙面掲載)

プレフォーマー(中心延長タイプ)

プレフォーマー(中心延長タイプ)

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー