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2011年のゴム業界を回顧 東日本大震災のつめ跡深い1年に

2011年12月19日

ゴムタイムス社


円高、原料高で対応に苦慮

 2011年も残すところわずかとなりました。リーマンショック後の世界同時不況の低迷からようやく脱し、ゴム産業も順調に回復基調でスタートしましたが、年度末の3月11日、東北・関東地域を襲った東日本大震災は巨大な津波を伴い、未曾有の被害をもたらしました。本紙は本年の最終号として「ゴム業界10大ニュース」を選定しましたが、円高を背景に原材料価格が高騰する中、収益悪化の是正からゴム製品の価格改定が相次ぎ、海外展開ではインド進出が目立ちました。技術関連では低燃費タイヤの開発競争が加速、ISO/TC45国際会議が日本で開催されました。企業業績は回復傾向から一転、厳しい環境となりましたが、震災からの本格復興も期待される2012年は、付加価値を追求する市場開拓がかぎになりそうです。

 本年は自然災害の脅威にさらされた1年でありました。3月に発生した東日本大震災では自動車産業におけるサプライチェーンが寸断され、材料、部品類の1社購入の危険性がクローズアップ、9月にタイで起こった大洪水でも浸水による被災で生産がストップ、また部品調達の困難から生産に支障をきたすなど、苦慮した1年でした。日本における震災、タイの洪水問題は現在も続いていますが、懸命な復旧活動により予想を上回るスピードで回復が期待されています。  3月期決算企業の業績は、震災が影響した企業も多く、上期は総じて低迷基調となり、主要上場企業25社中17社(約7割)が減益決算となりました。円高を背景に輸出企業の収益悪化が懸念されますが、現在の景況は持ち直しつつあり、通期の業績予想は回復予想が多く、約半数の12社が増収増益を見込み、本格的な回復が期待されます。  環境問題への対応もさらに進んだ1年でした。エコをキーワードにタイヤでは低燃費タイヤの開発が加速、省エネベルトの需要が増大、さらにホース製品においても環境にやさしいエコホースの開発、上市が相次ぎました。  とくにタイヤでは、住友ゴムが100%石油外資源タイヤを開発、タイヤラベリング制度では東洋ゴムが「AAA―b」グレード品の乗用車用タイヤ「ナノエナジー1」を2月に発売するほか、ブリヂストンはグレード「AAA―a」を達成する技術開発に成功し、来年にも新商品を投入する計画です。  また、日本が引継いだTC45の国際会議が10月に横浜で開催されました。ゴム産業における環境対応テーマとして、再生ゴム、リクレームゴムの使用を拡大するための規格テーマが検討され、環境対応におけるワーキンググループの設置などが提案され、多大な成果をあげました。  「2011年は景気回復が期待される中で、大きな災害が相次ぎ、結果、景況は再び低迷し、円高や材料価格高騰など企業経営は厳しい1年だった」(ゴムメーカー)。迎える2012年は本格復興を目指し、需要の持ち直しに期待されます。

本紙選定の10大ニュース

1.東日本大震災でゴム産業界にも打撃
2.タイヤ、工業用ゴム部品のインド進出が本格化
3.低燃費タイヤの開発競争が加速
4.ISO/TC45国際会議が横浜で開催
5.建築免震用積層ゴム支承がJIS化
6.ブタジエン価格が高騰、過去最高に
7.ブリヂストンが市販用ランフラットタイヤを市場投入
8.3月期中間業績は約7割が減益決算に
9.原材料価格高騰でゴム製品の価格改定相次ぐ
10.ゴム連合が非正規労働者問題取り上げ労使懇を開催