JSR 中国で診断薬事業の合弁会社設立

2011年12月12日

ゴムタイムス社

  JSRは、中国・北京市に拠点を持つ診断薬メーカーである北京万泰生物薬業有限公司(邱子欣総経理、以下「万泰」)と、ラテックス診断薬や化学発光診断薬の中間体の開発・製造・販売を主な目的とする合弁会社「捷和泰(北京)生物科技有限公司」を設立することで合意した。
 新会社の資本比率はJSRが6割。
  万泰は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)やHCV (C型肝炎ウイルス)などの感染症診断薬で中国トップシェアの大手の診断薬メーカー。今回設立する合弁会社では、同社の持つ中国全土の販売網を有効に活用し、製品展開を円滑に推進していく。
 JSRでは従来から国内外で診断薬メーカーにラテックス粒子、磁性粒子などの粒子素材を供給していたが、今回中国に合弁会社を設立することにより、更に事業領域を広げ粒子素材に抗体等を付与した診断薬中間体ビジネスを展開していく。
 中国での診断薬市場は、沿岸部の富裕層に続く経済中間層の増加、加えて中国政府の施策による農村部への医療普及などの環境変化により高い成長を見せており、今後更に量的、質的に拡大成長を続けるものと期待されている。
 特に、既に中国国内でも普及している生化学診断薬に対し、抗原抗体反応を利用したラテックス診断薬、化学発光診断薬などの高感度診断薬市場は、癌マーカー、心疾患、内分泌ホルモンなどの診断用に年率40から50%と飛躍的な伸びを見せており、今後有望な市場に成長するものと期待されている。
 まずはパートナーとなる万泰の全国販売網を活用して販売を開始し、万泰の中国市場で培ってきた事業ノウハウと同社の持つ粒子技術のシナジー効果により、中国における診断薬事業のより一層の拡大を目指す。
 今後は、中国市場に引き続き、インド、東南アジアなどの市場も視野に入れており、積極的な展開を図っていく。

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