ブリヂストン WET試験を実施へ 工場排水の環境影響を評価

2011年11月30日

ゴムタイムス社

 ㈱ブリヂストンは、生物影響を指標とした先進的な排水管理手法を用いて工場排水の環境影響を評価する試験(WET試験)を国立環境研究所の協力の下、国内タイヤ4工場で実施した。

 今回の試験では甲殻類、藻類、魚類を用いた短期慢性毒性試験と発光バクテリアを用いた急性毒性試験の4種類を実施。2009年9月~2010年5月の間に複数回の試験を行った結果では、4工場における工場排水の生態影響リスクは極めて低いとの結果が得られている。

 同社は環境宣言で持続可能な社会の構築に向けて、特に重要と考える自然共生社会、循環型社会および低炭素社会の「3つの社会の実現」に向けた様々な環境活動を推進している。工場においては、排水管理や化学物質管理などの強化に取り組んできたが、今回より高次元での持続可能な社会の構築に貢献するためWET試験を実施した。

 WET試験は、生物影響を指標とした先進的な排水管理手法。工場排水などが環境に与える影響を既存の化学物質濃度による規制ではなく、水生生物への影響を指標にして環境負荷を評価・予測し、改善手法を提案することで、生態系保全に寄与することを目的とする。試験は、工場排水の環境影響を排水総体として評価するため、従来の環境基準では測定されない項目も含めた排水管理が可能となる。

 現在、WET試験は欧米や韓国で取り入れられており、国内での導入は環境省で委員会が立ち上がり、国立環境研究所が中心となって検討が進められている。

 ブリヂストンは今後も試験の結果を踏まえつつ、工場の排水管理の継続的改善を図り、水環境の保全を通じた持続可能な社会の構築に貢献していく。

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー