ヘアピン走行で世界記録 ピレリのコレツィオーネ

2019年09月09日

ゴムタイムス社

 ピレリは9月3日、ビンテージカーとモダンクラシックカー向けのピレリ・コレツィオーネ・シリーズタイヤが、12時間内の最多ヘアピンコーナー走行数テストにおいて世界記録を樹立したと発表した。この記録は、ドイツのマツダモータースが、誕生30周年のクラシックな第一世代のマツダMX―5で打ち立てた。

 この記録は、今年7月17日の午後7時に、ハンブルク・レコード・インスティチュート・フォー・ジャーマニーの厳格な審判の下、オーストリアのチロル地方に位置するカウナーターラー・グレチャーシュトラーセで計測が開始され、レーシングドライバーのシンディー・アレマンら4人が1時間交代でステアリングを握った。開始から12時間後、このチームは、2900のヘアピンコーナー走行を達成した。26kmに渡るオーストリアの道には、1500mの高低差の中、合計29のヘアピンコーナーが存在する。この道は、標高2750mのカウナタール・グラシエの起点に至る。

 マツダMX―5には、ピレリ・コレツィオーネシリーズに属する「Pゼロ・アシンメトリコ・ピレリ」が装着された。ピレリドイツのテスト責任者であるヨルグ・シェーファー氏は、「レーシングテクノロジーを基盤として開発されたこのタイヤは、記録達成に必要な強さ、耐久性、グリップ、ステアリング・プレシジョン、性能、ウエット路面における安全性などを兼ね備えている。このタイヤのトレッドパターンは、30年以上愛されているPゼロ・タイヤのオリジナルのパターンを受け継いでいて、1986年時点でラリー用タイヤに使用されていた。そのデザインは、高い横荷重用に最適化されている」とコメントしている。

 このタイヤの開発に当たっては、現代的な開発工程と、コーナリング時の高負荷に対応可能なウルトラ・ハイパフォーマンスタイヤのコンパウンドが使用されている。

 世界記録への挑戦に際し、同社の技術者は、事前にタイヤ構造の耐久性を評価するために現地の路面特性をデジタルデータとして保存し、そのデータをコンピュータ上のテストプログラムに組み込んだ。これにより、最大横加速度の検証が可能となり、ストレートラインや多彩なコーナーのデータを用いた室内ラボラトリでの18時間に渡るテストが実施された。車輪荷重も、最大許容度の150%の負荷をかけて繰り返しテストされた。

 

ピレリ・コレツィオーネ

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