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生分解性プラに射出新技術 日精樹脂工業が実用化

2019年08月07日

ゴムタイムス社

 日精樹脂工業は8月6日、持続可能な資源循環型社会の実現や脱炭素による地球温暖化抑制に向けた取り組みとして、植物由来の環境対応素材「ポリ乳酸(PLA)」の用途を拡大する射出成形技術「PLA薄肉容器成形技術」を実用化したと発表した。10月にドイツで開催される世界最大規模のプラスチック関連展示会「K2019」に同技術を搭載した射出成形システムを出展し、グローバル市場に向けた積極的な営業活動を開始しする。

 通常のPLA成形では、流動性が著しく低いため、薄い製品を加工する場合、金型内の末端まで完全に充填されないうちに固化が始まり、ショートショットなどの成形不良となるケースが見られる。新技術では、超臨界状態のCO2を溶融状態のPLAに混入し射出することで流動性を確保し、射出成形では世界最薄レベルの0・65mmの薄肉容器成形を実現し、優れた透明性を確保した。

 この技術の実用化に当たっては、小松技術士事務所と連携し、日精樹脂工業が持つ射出成形機や成形加工技術と、小松技術士事務所が保有するPLA成形加工に関する特許やノウハウ、その周辺技術とを組み合せることで実現した。

 トウモロコシやサトウキビ等を原料とするPLAは、石油系プラスチックの代替品として注目されているが、石油系プラスチックに比べ耐熱性と耐衝撃性が低いほか、流動性や離型性が悪く深物成形や薄肉成形が難しい点が課題となっており、射出成形での用途はまだ限られている。また、海に流出しているプラスチックごみの大半は使い捨て用途の製品となっている。このような状況の中、同社は、使い捨て用途のプラスチック容器を石油系プラスチックからPLA100%に置き換えることを目的に、射出成形による薄肉容器成形技術を開発し、実用化した。

 PLAは、化石資源に頼らない植物由来の「バイオマスプラスチック」の一つで、生分解性があり、微生物によって最終的に二酸化炭素と水のみに分解され、大気中に放出された二酸化炭素は植物に吸収されて原材料となるデンプンを光合成することから、「カーボンニュートラル」の素材として注目を集めている。欧州バイオプラスチック協会によると、2022年のPLA生産能力は2017年比で50%増と予測されている。

PLA薄肉容器の実用化事例

PLA薄肉容器の実用化事例