早川ゴム 温故挑戦 旗印に次の100年へ 創業100周年記念式典開催 取引先各社1200人が祝う

2019年06月03日

ゴムタイムス社

早川ゴム 温故挑戦 旗印に次の100年へ

早川ゴム創業100周年

 

 早川ゴム 創業100周年記念式典開催 取引先各社1200人が祝う

 今年3月に創業100周年を迎えた早川ゴムは5月24日、広島県福山市で創業100周年記念式典ならびに記念祝賀会を盛大に開催した。記念式典には、同社取締役や同社社員、仕入先や取引先、さらに大学生や近隣住民から約1200人が出席し、100年の節目を祝った。

御礼の挨拶をする横田社長

御礼の挨拶をする横田社長

 記念式典は早川ゴム創業の地であるふくやま芸術文化ホールリーデンローズで挙行された。冒頭、主催者を代表し、横田幸治社長が「本日お越しの皆様をはじめ、社員の方々や家族、さらに残念ながらお越しいただけていない早川ゴムに関係する皆様のおかげで、創業100周年を迎えることができた」と謝辞を述べた。

 また、横田社長は創業者の早川菊市から2代目社長の早川辨蔵、第3代社長の早川行洋(相談役)、第4代社長の早川裕之、第5代社長の早川雅則(会長)の功績を紹介し、「創業者から5代社長に共通することは、前社長時代に創造させた商品を拡販させつつ、新たなニーズを発見し、新製品を開発する。そのことこそが成功のセオリーではないかと思う」と語り、「100周年を機に、当社は温故挑戦を旗印に掲げ、次の100年に向けて新たな挑戦し続ける」と宣言した。

 次に主賓を代表して枝広直幹福山市長と部谷俊雄広島銀行頭取が祝辞を述べ、祝電も披露された。

 続いて行われた寄付受納式では、福山市内の小中学校の図書室の充実と環境整備を目的とする寄付金目録(1000万円)が早川会長から枝広市長に贈呈され、枝広市長からは早川会長に感謝状が手渡された。

 休憩を挟んだ後、早川ゴムを含む福山(備後)地域のゴム3社に注目し、2016年に研究論文を発表した福山大学経済学部の張楓教授による特別講演会、元広島東洋カープの黒田博樹氏を招き記念トークショーが開催され、約3時間に及ぶ式典は盛況のうちに閉幕した。

 


 

 記念祝賀会
 福山のゴム3社で鏡開き

 午後6時より福山ニューキャッスルホテルで行われた100周年記念祝賀会には、社員と取引先など約210人が出席した。

 冒頭、あいさつに立った早川会長は「今日ここに100周年を迎えられたのもここにおられる皆様のおかげ」と御礼を述べた上で、「早川ゴムの歴史は、私の曽祖父の早川菊市が材木商を興すため、岡山県井原市から福山市に移り住んだことに始まる。材木商をやめた後のある日、行商からゴムの靴を買って履き、自分で作ってみよう。これが早川ゴム創業の原点になる。また、2代目の辨蔵は履物に加えて、再生ゴム事業をスタートさせた。これが現在までの早川ゴムの礎を築いた。また、辨蔵は昭和22年に妹2人に会社を分社したが、それが現在の早川ゴム、福山ゴム工業、広島化成で、ゴム業界では福山のゴム3社といわれる。昭和22年の会社設立から数えると72年。3社合計で216年。これはすごいことだ」と述べた。

 この福山は「モノづくりの玉手箱」とよくいわれるが、私は早川ゴムは「万華鏡のような会社」だと思う。時代とともに変化する、画一的ではない会社、それが早川ゴムだ」などと挨拶した。

 続いて行われた鏡開きでは、早川会長達ての願いから、福山のゴム3社代表(早川会長、福山ゴム工業中島秀司郎代表取締役、広島化成宮地治夫代表取締役会長)が壇上に上がり、3社代表は力強く鏡開きを行い、100周年を祝った。

寄付受納式

寄付受納式

 福山のゴム3社で鏡開き

福山のゴム3社で鏡開き(左から宮地氏、早川氏、中島氏)

 


 

 会長・社長インタビュー

 早川会長「温故挑戦の発信力強化」
 横田社長「次の100年に向け挑戦」

横田社長と早川会長

横田社長と早川会長

 創業100周年を迎えた早川ゴムは、3月28日の株主総会で横田幸治常務が第6代目社長、早川雅則社長が代表取締役会長に就任した。「温故挑戦を旗印に、次の100年に向けて、挑戦し続ける会社でありたい」と語る横田社長と早川会長に話を聞いた。

 ―後継に横田社長を指名した理由は。
 早川会長 創業100周年は会社にとって一つの大きな区切り。次の社長にタスキをつなぐならこのタイミングと決め、3年くらい前から準備を進めてきた。社内には後継候補として横田常務を発表し、彼には半年前に社長に就任してほしいと正式に伝えた。
 彼を指名したのは、まず私(69歳)より15歳若い(54歳)ということ、またコミュニケーション能力が高く、物事を大局的に見られる。そして何よりITに強いこと。これからの経営者はITに明るくないといけない。

 ―指名を受けたときの感想を。
 横田社長 最初は驚いた。指名され少し悩んだが、決めたからにはやらないといけないという気持ちだ。「100周年を手伝ってほしい」と早川社長(当時)に言われ、前職の凸版印刷をやめて3年前に入社した。業界は違っても、事業を推進したり、ライバルを分析することは変わらない。仕事に取組む姿勢や、新しいことをやる姿勢を社員に示していきたい。

 ―横田社長が感じる早川ゴムの強みは。
 横田社長 一番は、生産・営業を含めて社員がまじめ。これは製造業にとって大切なこと。それと技術力の高さも強み。社員に占める技術社員の割合が高い。当社は製品を発売し5年以内(改良品も含む)を新製品と定義しているが、売り上げに占める新製品比率は毎年30%を維持している。また、開発した商品も配合を見直しコストダウンすることも常時行い、社員はやり切る力が強い。

 ―社長時代を振り返って。
 早川会長 2001年に社長に就任し18年間、大きな経営危機はなかった。ただ、しんどい時期はあった。それは2008年のリーマンショックの時で、次の2009年12月期には赤字を出した。ただ、翌年からは立ち直り、それ以降赤字は出していない。というのも赤字部門の撤退や事業リストラなど行い、事前にその芽を摘んできたからだ。

 ―温故挑戦について。
 早川会長 温故挑戦は、100周年事業の委員会で、社員から出てきた言葉。本来なら「温故知新」なんだけど、「早川ゴムは温故挑戦ですね」と社員に言われ、その通りだと思い、100周年の旗印にした。温故挑戦はさまざまな場所で発信していて、お客様にも浸透しているのを感じる。早川ゴムといえば温故挑戦、温故挑戦といえば早川ゴムになりつつある。

 ―次の100年に向けた想いを。
 横田社長 100年といっても、決して順風満帆ではなかった。当社の始まりであるゴム草履は鼻緒に繊維を入れて強化し、他社と差別化した。また、第二次世界大戦中には再生ゴム技術を確立。一方、輸入品との競争激化で履物事業は昭和46年に撤退し、その後は工業用品メーカーとして生まれ変わるなど、事業の統廃合や改編を行ってきた。
 事業には寿命があるが、企業に寿命があってはならない。中期経営計画で掲げた「GO to NEXT 100!!」。100年を大きな節目の通過点として、次の100年に向けてチャレンジし、お客様に喜ばれ、信頼される製品の開発・提供に努めていきたい。

 横田幸治社長プロフィール
 追手門学院大経済学部卒、1991年凸版印刷入社。2016年早川ゴム入社。2代目社長・早川辨蔵氏の長女・横田利子さんの次男で、早川会長のいとこにあたる。

 


 

100年の歩み 沿革

1919(大正8年) 早川菊市により創業ゴム履物の生産・販売開始
1936(昭和11年) 資本金6万円で合名会社早川護謨製造所設立
1937(昭和12年) 再生ゴムの生産・販売開始
1947(昭和22年) 合名会社早川護謨製造所を母体として早川護謨工業株式会社設立
1947(昭和22年) 早川辨蔵が第2代目社長に就任
1953(昭和28年) 早川護謨工業㈱と合名会社早川護謨製造所を合併、早川ゴム㈱に改称
1961(昭和36年) 工業用ゴム製品の生産・販売開始
1963(昭和38年) 革靴生産・販売開始
1965(昭和40年) ゴム履物輸出部門撤退
1966(昭和41年) 子会社の成美工業(岡山県成羽町:現高梁市成羽)を設立
1967(昭和42年) シート防水材(サンタックルーフ)、コンクリート打継止水材(スパンシール)の生産・販売開始
1969(昭和44年) 早川行洋が第3代目社長に就任
1971(昭和46年) ゴム履物部門撤退
1974(昭和49年) 自動車用フロアマット生産開始
1976(昭和51年) 全国サンタックルーフ工業会結成、後全国サンタック防水工事業協同組合に改組
1984(昭和59年) 箕島工場第一期工事完了(工場3棟)
1987(昭和62年) サンタックキャップ生産・販売開始
1988(昭和63年) 紫外線硬化型インキ・コーティング材生産・販売開始
1989(平成元年) 早川裕之が第4代目社長に就任
1989(平成元年) ポリメリック可塑剤塩化ビニル樹脂系防水シート(サンタックIB)生産・販売開始
1990(平成2年) 箕島工場に本社・技術棟・厚生棟落成
1990(平成2年) 本社を福山市松浜町2-1-32より福山市箕島町南丘5351番地へ移転。本社・箕島工場とする
1992(平成4年) 配管防音材生産・販売開始
1993(平成5年) サンタック可とうジョイント生産・販売開始
1994(平成6年) サンタックスパンシール誘発目地材生産・販売開始
1996(平成8年) ハヤカワイースタンラバータイ合弁会社設立
1998(平成10年) 箕島工場に無響室竣工
2001(平成13年) 早川雅則が第5代目社長に就任
2006(平成18年) 放射線環境ゴム生産・販売開始
2010(平成22年) 微粒子HB3号棟竣工
2012(平成24年) サンタックIB3号ライン増設
2015(平成27年) 仙台営業所開設
2017(平成29年) 「第3回JABアワード」受賞
2017(平成29年) 第2成型工場竣工
2018(平成30年) 「地域未来牽引企業」に選出
2019(平成31年) 創業100周年を迎える
2019(平成31年) 横田幸治が第6代目社長に就任

 


 

企業データ
早川ゴム株式会社 ◆所在地:広島県福山市箕島町南丘5351番地(本社・箕島工場)◆役員:代表取締役会長早川雅則、代表取締役社長横田幸治 ◆社員数:364人(2019年4月現在)◆資本金:4億9433万6000円 ◆売上高:100億6400万円(2018年度実績)◆売上高構成比率:建設用資材(土木用止水材、建築用防水材)60・7%、産業用資材(住宅防音材、化成品)34・2%、ファインケミカル関連5・1%

 


 

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ゴムタイムス6月3日号8面

本文:4305文字

早川ゴム 温故挑戦 旗印に次の100年へ 創業100周年記念式典開催 取引先各社1200人が祝う

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