GM新トラックに初採用 帝人CFRTPが荷台に

2019年05月10日

ゴムタイムス社

 帝人は5月7日、同社が展開する熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)製品である「セリーボ」が、ゼネラル・モーターズ(GM)のピックアップトラック2車種に採用されたと発表した。

 採用されたのは、GM社が今夏から市場展開する「GMCシエラ・デナリ1500」と「GMCシエラAT4・1500」のピックアップボックス(荷台)である「カーボン・プロ」で、CFRTPが量産自動車の構造部材に使用されるのは世界で初めてとなる。

 同社が開発したセリーボは、熱可塑性樹脂を使用し、世界で初めて製造タクトタイムを約1分に短縮したことにより、自動車部品などの量産対応を可能にした革新的なCFRTPとなっている。

 一方、カーボン・プロは、同社がGM社と共同開発したピックアップボックスで、ポリアミド系樹脂を母材として、炭素繊維をランダムに分散させたセリーボ・シリーズの製品を荷台内側のパネル部分に使用している。セリーボを用いることにより、成形時間の大幅な短縮を実現したほか、スチールを使用したピックアップボックスに比べて約40%の軽量化を実現するとともに、約10倍の耐衝撃性を有し、耐腐食性にも優れている。また、従来の素材では量産できなかった複雑なデザインの成形にも対応でき、リサイクルも容易になる。

 なお、セリーボを用いたカーボン・プロの荷台内側部分は、帝人グループで軽量複合材料製品の生産・販売・技術開発を展開するコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP社)のハンティントン工場(米国インディアナ州)で製造される。

GMCシエラ・デナリ1500

GMCシエラ・デナリ1500

カーボン・プロ

カーボン・プロ

 

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