【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情34 ドイツのゴム産業(前編) 加藤進一

2019年03月18日

ゴムタイムス社

 ドイツのゴム産業はEUの中でも別格です。理由の一つは、合成ゴムの世界最大メーカーで、かつ世界で初めて合成ゴムおよびゴム薬品を商業生産したBAYER社、その後のLanxess社、今のArlanxeo社がドイツにあったからです。優れた合成ゴムとゴム加硫促進剤、老化防止剤があってこそ、ゴム産業が発展してきました。

DKTゴム会議、展示会が行われる会場  写真:©2019 NürnbergMesse提供

DKTゴム会議、展示会が行われる会場  写真:©2019 NürnbergMesse提供

 もう一つの理由は、タイヤの世界でコンチネンタルタイヤ社がドイツハノーバー(ドイツ語的に言えばハノーファー)市にあるからです。ドイツでゴム材料の開発が進み、また大手タイヤメーカーがあるとゴム産業は発達します。フランス、イタリアにも大手タイヤメーカー、ミシュラン社、ピレリー社がありますが、材料面ではフランス、ドイツにすべてがあるわけではありません。

 さらにゴム技術研究では、EU随一のゴム協会(学会)がDKG(ドイツゴム協会)であり、このDKGとDIK(ドイツゴム研究所)がドイツにあります。このドイツゴム協会は3年おきにニュールンベルグ市でゴム会議(DKT CONFERENCE)を開催し、同時にゴム展示会を開きます。展示会にはヨーロッパ中のゴム・エラストマー原材料、機械メーカー200社以上が出展します。ゴム会議には日本からもゴム関係の大学関係者が多数発表し、会議に参加します。

 またドイツゴム研究所(DIK)がゴム研究のメッカです。ゴムの分析、測定も

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