TPE特集 クラレ セプトン販売は過去最高 ケーブルジェル需要拡大に期待

2019年04月08日

ゴムタイムス社

 クラレのエラストマー事業の18年12月期は、上期に過去最高の売上を記録したが、米中貿易摩擦の影響で中国での販売が減速し、「8月ごろ需要に変化の兆しが表れ、4Qに入って潮目が変わった」(イソプレンカンパニー・エラストマー事業部・井上淳副事業部長)ことから、通期では前年並みに留まった。利益面では、ブタジエン価格の上昇に採算是正が追い付かず若干の減益だった。

井上副事業部長

井上副事業部長

 製品別では、水素添加スチレン系エラストマー「セプトン」の販売量は年間で過去最高。液状ゴムは、中国の自動車生産の減少を受けて足踏みし、通年で前年並みだった。

 こうした中、昨年末に、タイにおける新プラントの投資を正式に決定した。年産1万6000tの生産設備は21年末に完工、22年からの本格稼働を予定する。それまでは既存の鹿島やアメリカの拠点での生産性改善や製品グレードの統廃合により、需要増に対応する。

液状ゴム

液状ゴム

 また、液状ゴムも能力増強の検討が進む。液状ファルネセンゴム「LFR」は、低温グリップ性能や経年変化によるゴムパウンドの硬化の抑制が評価され、住友ゴムの冬用タイヤなど国内外の大手タイヤメーカーで採用が広がるほか、今後は新用途でも採用される見込みだ。鹿島拠点の生産能力やBCPを勘案し、アメリカを第一候補に新拠点を検討している。

 この冬用タイヤに向けた対応と並行して、同社は夏用タイ

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