住友ゴム ブラジルにタイヤ新工場 池田新社長が経営方針発表

2011年05月16日

ゴムタイムス社

経営方針を発表する池田社長

住友ゴム工業の池田育嗣社長は4月28日、就任後初となる記者会見を東京・大手町の経団連会館で開き、今後の経営方針を発表した。経営方針の
一つであるグローバル体制の確立では、高い経済成長率が続くブラジル・インド市場への早期進出を目指すとし、自前工場の建設を基本線としながら、現地企業との合弁も視野に入れ、「ブラジルとインドを併行して手がけることは困難であり、まずはブラジル進出を優先し、夏までには道筋をつける。成長には迅速な決断が不可欠」と新興国の需要増を見据えた戦略を加速することを明らかにした。
池田社長は今後の経営方針として①長期的展望に立った体質改善②グローバル体制の確立③収益力・財務力の基盤確立④価値観の共有⑤次世代経営幹部の育成ーの5つのテーマを挙げ、経営における決断、各部門における行動のスピードを上げることで体質を更に強くするための「攻める」構造改革を実行していくことを強調した。
成長軌道を支える収益力、財務力の基盤の確立では、環境対応タイヤでの市場優位性の拡大、コスト優位性の拡大、技術開発優位性の拡大を挙げ、新しい収益源の確保と全体最適の推進を目指す「NEXT活動」を展開するほか、100%石油天然資源タイヤを2011年東京モーターショーでプロトタイプを発表、2013年に発売することを明らかにした。コスト優位性の拡大では2006年から取り組んでいるABC(アジア・ベスト・コスト)プロジェクトの現場定着、着実に成果を創出していくことで、2015年長期ビジョンの達成目標として売上高8000億円、営業利益率、経常利益率10%以上、ROA10%以上、ROE15%以上を掲げた。
一方、東日本大震災から11日後に操業を再開した福島県の白河工場は4月27日、震災前と同水準の生産体制に回復。国内の自動車生産が回復するには時間がかかるため、需要が旺盛な北米向けの輸出に振り向けている。

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