19年春とり方針決まる(詳報) 賃金底上げ・改善目指す

2019年02月18日

ゴムタイムス社

 ゴム連合(石塚宏幸中央執行委員長)は2月7日、第58回ゴム産業労使懇談会を開催し(本誌既報)、「2019年春季生活改善のとりくみ方針」の内容を明らかにした。

 それによると、ゴム連合の19年「春のとりくみ」に向けた基本スタンスは、上部団体である連合の2019春季生活闘争方針にのっとり、「賃金」「一時金」「ワーク・ライフ・バランスの実現」「非正規労働者の労働条件改善」「法令遵守への取り組み」の5項目を重点実施事項として掲げている。

◆賃金
 賃金については、定期昇給・賃金カーブ維持分の確保を前提とし、経済の自律的成長、社会の持続性の実現に向けた社会的な役割と賃金の社会性の観点から賃金の底上げ・改善にとりくむ。また、自社の賃金水準の位置づけを把握し、目指すべき賃金水準と賃金課題を明確にしてその是正にとりくむ。

 賃金カーブ維持へのとりくみにおける個別賃金へのとりくみでは、①34歳から35歳への引き上げ額・率を算出して設定する。②引き上げ額の算出が困難な場合は、連合が示している定期昇給相当分2%、およびゴム連合賃金全数調査から算出した2018年推定賃金カーブ率1・66%を参考に設定する。

 賃金改善および底上げへのとりくみでは、目指すべき賃金水準を設定するため、一般指標やゴム連合が示す賃金データ、賃金水準等との比較を行い、自社の賃金の相対的な位置づけを確認し、各単組で賃金の目標水準、到達水準、最低水準を設定する。

◆一時金
 一時金は、安定した生活を送る上で欠かすことのできない重要な位置づけであることを認識し、水準の向上・確保に向けてとりくんでいく。その一環として、自社の業績を反映させる部分や組合員の貢献度を加味し、昨年実績をもとに要求水準を設定する「年間一時金の設定」などを実施していく。

◆ワーク・ライフ・バランスの実現
 ワーク・ライフ・バランスの実現では、過重労働対策、総実労働時間の縮減、ワーク・ライフ・バランスを実現するための環境づくりにとりくむ。過重労働対策では、36協定の適正な運用管理と協定時間縮減などに取り組む。総実労働時間の縮減では年間総実労働時間1800時間台の実現を目指し課題の明確化などにとりくむ。ワーク・ライフ・バランス実現では、職場風土の醸成、従業員の意識改革などにとりくんでいく。

◆非正規労働者の労働条件改善
 まず非正規労働者の労働条件を把握したうえで、労使でその認識を共有化し、社会的責任と役割を踏まえ労働条件の改善にとりくむ。なお、非正規労働者の労働条件の実態把握では、同一労働同一賃金の法整備を踏まえ、非正規労働者の賃金や一時金、福利厚生など労働諸条件を点検し、不合理な格差がないかその実態把握を行っていく。

◆法令遵守へのとりくみ
 春のとりくみでは、労働基準法改正、労働安全衛生法改正、労働者派遣法改正、労働契約法改正など最近改正された労働関係法令について展開し、その徹底に向けた啓発を行っていく。

 今後のとりくみ日程については、2月末を要求決定・要求書提出期限とし、3月7日までの前段交渉期間を経て、同7日~8日に第4回中執・第3回中央委員会を開催。集中解決ゾーンは同13~20日と設定し、全単組解決期限を3月末までとしている。

労使懇談会のようす

 

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